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2018年9月5日(水)

主張

幹部会同 首相発言

実力組織に改憲説く異常事態

 憲法の尊重擁護義務のある内閣総理大臣が、憲法遵守を誓って任務に就いた自衛隊の高級幹部会同であけすけに持論の改憲を説く―。これを危険で異常な言動と言わず、何といえばいいのでしょうか。自民党総裁選を目前に「次の国会」に改憲案を出すなどと異様な高ぶりを示している安倍晋三首相が、原則年に一度の自衛隊幹部会同で「全ての自衛隊員が、強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える。今を生きる政治家の責任だ」と力説したのです。憲法に自衛隊を書き込む首相の持論の改憲を主張したのは明らかです。安倍改憲阻止は喫緊の課題です。

尊重擁護義務に反する

 自衛隊幹部会同での首相の発言は、内閣総理大臣として公式のものです。首相と自民党総裁の使い分けは通用しません。憲法99条で首相や国会議員などに求められている「この憲法を尊重し擁護する義務」に真っ向から反していることは議論の余地がありません。

 しかも自衛隊員は「日本国憲法及び法令を遵守」することを「服務の宣誓」で誓って任務に就いています。かつて自衛隊員やその幹部が改憲を「ありがたい」(河野克俊統合幕僚長)などと発言して問題になったこともあります。実力組織で政治的中立も求められる自衛隊で改憲を説くなど絶対に許されることではありません。

 安倍首相はあいさつで、「国民のために命をかける」自衛隊の活動を評価するとともに、「全ての自衛隊員が、強い誇りを持って全うできる環境を整える」と述べています。そこには「改憲」という言葉はありませんが、首相は総裁選にあたって各紙のインタビューでも「自衛隊に関して、なお違憲論争が存在する状況に終止符を打つのは、政治家の責務です」(「産経」3日付)などと、次の国会に改憲案を提出することを繰り返しています。首相の発言の真意が、改憲にあることは明らかです。

 安倍首相が昨年の憲法記念日での発言以来繰り返している憲法9条に自衛隊を書き込むなどの改憲は、自衛隊を憲法上「合憲」と位置付けるだけにとどまりません。自衛隊を憲法上特別の位置に押し上げるとともに、「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認」を定めた憲法9条、とりわけ「戦力不保持」や「交戦権否認」の9条2項を空文化し、自衛隊の海外での武力行使を可能にします。

 安倍首相が「次の国会」に提出するという自民党の改憲案は先の通常国会では提案できませんでしたが、自民党内で検討されている案では9条の2に「必要な自衛の措置をとることを妨げず」と、日本が攻撃されなくても集団的自衛権の名でアメリカが起こす戦争に参加することまで認めています。「国民のため」どころかアメリカのために、自衛隊員に命をかけさせようというものです。

「殺し、殺される」軍隊に

 安倍首相は幹部会同のあいさつで、「わが国を取り巻く安全保障環境は、5年前にわれわれが想定したよりも、格段に速いスピードで厳しさを増している」と、北東アジアの緊張緩和を無視して危機をあおり、軍備の増強や自衛隊の活動強化を訴えました。まさに改憲は、自衛隊が他国を相手に「殺し殺される」軍隊になる道です。

 憲法と平和を破壊する安倍改憲を決して許してはなりません。


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