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2018年8月31日(金)

内閣府 「加計」に繰り返し便宜

「厳重注意」学園の車利用時

藤原次長(当時)、特区で意見交換

 国家戦略特区を担当する内閣府の藤原豊地方創生推進室次長(当時)が2015年8月6日の出張で学校法人「加計学園」(岡山市)の車を利用し厳重注意処分をうけた問題で、同氏がこのとき愛媛県、今治市、学園と国家戦略特区などについて意見交換していたことが分かりました。日本共産党参院議員の田村智子副委員長が内閣府から聞き取りしたもの。


写真

(写真)藤原氏が内閣府に提出した出張の復命書。加計学園の岡山理科大学訪問の目的を国家戦略特区などの意見交換と明記しています

田村副委員長聞き取り

 加計学園が公募で獣医学部の事業者に決まったのは17年1月です。これまで愛媛県の文書から、15年4月に県、市、学園が藤原氏からアドバイスを受けていたことが明らかになっています。新たな意見交換が発覚したことで内閣府が繰り返し学園に便宜を図っていたことが浮き彫りになりました。

 内閣府によると藤原氏は、「今治市から紹介を受け加計学園に行くことが決まった」と説明。訪問の目的は国家戦略特区などの意見交換のためです。その際、学園側から「ぜひ現地を見てほしい」といわれ、学園の車で今治市まで移動。さらに松山空港(松山市)まで送ってもらいました。藤原氏は内閣府に提出した公文書に「官用車利用」で移動したと虚偽の記載をしていました。

 藤原氏は加計学園の車を利用したことが、「社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待又は財産上の利益供与を受けてはならない」とした国家公務員倫理規程違反にあたるとして28日に、「文書による厳重注意処分」を受けました。ただ処分では加計学園を利害関係者ではないと位置付けています。

 その理由について内閣府は田村氏に、「国家戦略特区での獣医学部新設の手続きに関して、許認可などに該当する手続きがないことが理由だ」などと回答。田村氏は「事実上の許認可だ。今治市を特区に選定し獣医学部を公募したから、加計学園が手を挙げることができた。結果として、加計学園に利害関係があったことは事実だ」と指摘しました。

 加計疑惑で発覚した文部科学省の内部文書によると、藤原氏は同省に獣医学部を今年4月に開学することは「官邸の最高レベルが言っていること」と圧力をかけていました。


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