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2018年8月27日(月)

きょうの潮流

 巨大なクモが国民をからめ捕る「国家総動員演習」。警官が労働者の目と口をふさぎ、手足にしがみつく「××(戦争)に反対する運動・組織の弾圧・破壊」。政府の本質を銃剣と一体になった男の姿に表した「××(銃剣)をもって」▼1931年に発禁覚悟で出版された「絵本」が復刻されました。「ハンセンヱホン 誰のために」。戦前からプロレタリア美術運動に参加し、戦後も本紙に政治漫画を描き続けた、まつやまふみおが20代で著した「反戦絵本」です▼発刊の10日後には日本軍が「満州事変」を起こし、中国への本格的な侵略戦争が始まります。切迫する動きのなかで、まつやまは労働者や農民にひろく読んでもらおうと、風刺画に告発文や資料を付けて警鐘を鳴らしました▼復刻本と新たにつくった注釈本は「まつやまふみお研究会」が製作しました。まつやまの地元紙、信濃毎日新聞には息子の晋作さんが、戦前に反戦を訴えた人がいたことを若い人に知ってほしかったと語っています▼きのう自民党の総裁選に出馬表明した安倍首相。日本は大きな歴史の転換点、新たな国造りの先頭に立つ決意だと口にしました。そこには国を破滅に導いた過去の反省から学ぶ姿勢はまったくありません▼まつやまの視線は虐げられた国民に向けられ、権力の正体を暴き痛烈に批判しました。絵本のあとがきには「職場の中からの要求が、我々の仕事と常にむすびついていなくてはならぬ」と。国民の負託にこたえる政治の実現を絵に込めて。


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