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2018年8月22日(水)

きょうの潮流

 かつては中傷の言葉だったのに、なぜいま大人気に? 米国のラジオ局が最近、「社会主義」について討論番組を放送していました▼米国で「社会主義」という言葉は通常、自由な経済活動を妨げるものとして否定的に使われてきました。ところが、秋の中間選挙に向けた予備選では「民主的社会主義者」を名乗る候補者が善戦、勝利しています。押し上げているのは10~20代の若者です▼彼らの「社会主義」に明確な定義があるわけではありません。しかしそこに込められた要求は鮮明です。「一握りの少数者ではなく多数者のための政治を。シンプルでしょ?」。こう説明したのはニューヨーク州の民主党下院予備選で大物現職を破った若い「民主的社会主義者」です▼彼らに共通するのは資本主義の矛盾への鋭い批判です。貧富の格差、金融投機の横行、環境破壊、政治腐敗。放置したら私たちの将来はどうなるのか。あふれる不安や怒りを胸に、国民皆保険、最低賃金引き上げ、公立大学の学費無償化など多数者のための政治を訴えます▼8月発表の世論調査によると、米国の若者の間で社会主義を肯定的に見る人は51%に上りました。資本主義を肯定的に見る人は8年前と比べて20ポイント以上減です▼最近の資本主義は労働者や国の未来に投資せず、大部分の国民を失望させた。だから「社会主義者」が増えている―米大手紙に載った論評です。世界最大の資本主義国、米国で立ち上がる若者らがどう社会を変えていくのか。今後も目が離せません。


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