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2018年8月22日(水)

主張

自民党総裁選

安倍晋三政権の評価問われる

 自民党の総裁選挙が、9月7日告示、20日投票に決まりました。与党第1党の自民党の総裁選は、国会での首相選出にも直結した選挙です。しかも今回は、任期が連続して3期9年に延長されて最初の総裁選です。安倍晋三首相は、総裁選で勝利し、明文改憲をはじめとする悪政に拍車をかけようとしており、国民としても無関心でいられません。総裁選で政権復帰から6年近い安倍政権の評価がどう議論され、各候補は何を主張するのか、監視が必要です。

「次の国会」に狙う改憲

 総裁選には、3選出馬を目指す安倍氏が近く正式表明するほか、前々回の総裁選(前回は無投票)でも安倍氏と対決した石破茂・元自民党幹事長が立候補を表明しています。野田聖子総務相の立候補の動きもあります。

 2012年12月に政権に復帰した安倍首相は、「経済再生」を最優先させるといいながら、この6年近く、秘密保護法や安保法制=戦争法、「共謀罪」法の強行など、憲法破壊の政治を続けたあげく、昨年5月からは憲法9条に自衛隊を書き込むなどの明文改憲の動きを急浮上させています。事実上の3選出馬表明となった12日の地元・山口県の講演会でも、6年近い政権の成果を自賛し、そのうえで「次の国会」に自民党としての改憲案を提出し、国会での改憲発議を目指すことを明らかにしています。「次の国会」とは総裁選後の秋の臨時国会を視野に入れており、安倍首相の発言は重大です。

 対する石破氏は、憲法9条を廃止し、自衛隊を「国防軍」にするなどが持論のタカ派ですが、今回の総裁選では緊急事態条項の創設などを優先させ、9条改憲は後回しにすることを訴えています。いずれにせよ憲法を守り生かす立場とは無縁の主張です。

 安倍首相が政権復帰してからのこの6年近く、最優先させるとしてきた「経済再生」は、大企業や富裕層をうるおす一方、国民の所得や消費は増えず、貧困と格差を拡大しただけです。しかもこの間、甘利明経済再生担当相の政治資金疑惑や「森友」「加計」などの問題が相次ぎました。戦後の歴代政権とは比較にもならない、改ざん、隠ぺい、ねつ造など、民主主義の根幹を揺るがす「ウソの政治」があらわになっています。

 安倍氏も通常国会終了後「行政の信頼回復に全力を挙げる」などと言いましたが、今週発行された月刊誌の3選を意識した論文では、「森友」の「も」も、「加計」の「か」もありません。国政をゆがめ私物化したことへの反省は皆無です。石破氏が出馬表明で、「公正で正直、丁寧で信頼される政治が必要」などと主張したのは、こうした安倍氏への批判を意識したものです。総裁選での議論が注目されます。

暴走政治を終わらせる

 総裁選で有利とみられている安倍首相は、先の月刊誌に寄せた論文でも、「闘う政治家たれ」とあくまでも前のめりです。国民の批判に耳を貸さず、沖縄の新基地建設や改憲の強行、来年10月からの消費税増税などを3期目の課題としてくるのは目に見えています。

 文字通り、3選で弾みをつけようという暴走であり、あらゆる分野で安倍政権と正面対決をする論陣を張り、退陣に追い込む運動を起こしていくことが重要です。


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