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2018年8月21日(火)

森友問題での佐川氏証言

偽証は明らか告発を

与党の拒否は道理なし

 学校法人「森友学園」への国有地格安売却問題で、衆参両院の予算委員会の証人喚問(3月27日)に立った佐川宣寿元財務省理財局長の証言が虚偽であった疑いが強まっています。財務省が6月4日に国会に提出した決裁文書改ざんの調査報告書をはじめとした資料で、佐川氏の証言を否定する事実が次々と判明。議院証言法にもとづく偽証告発には出席議員の3分の2以上の賛成が必要なため、日本共産党など野党側は偽証告発するよう与党にも提案しています。与党は偽証告発を拒否していますが、その理屈には筋も道理もありません。

 安倍晋三首相の妻・昭恵氏が名誉校長をつとめていた、森友学園の小学校の設立と国有地売却について、佐川氏は証人喚問で「(森友問題を)私も昨年、2月の上旬の新聞報道で初めて知った」「総理夫人が名誉校長であるという話は、2月の最初の報道で知った」「局内から報告を受ける中で、総理とか総理夫人の話はなかった」などと証言しました。

かかわりを認識

 しかし、それから2カ月後に財務省がまとめた改ざんの調査報告書では、2017年2月初旬には財務省理財局国有財産審理室が森友問題での報道が出る可能性を意識して佐川氏に概略を説明していたと指摘。同年2月27日に決裁文書の報告を受けた佐川氏は「このままでは外には出せない」と反応し、同年3月20日に、決裁文書改ざんの念押しをするなど、昭恵氏のかかわりを認識し、改ざんを主導していたことが記されています。

 野党側の調べでは、偽証は衆院で5カ所、参院で4カ所にのぼります。野党側は財務省の調査報告書などをもとに偽証を具体的に指摘しており、十分な証拠があります。

 これに対して、与党側は「記憶に忠実な陳述であれば、仮にそれが客観的に誤っていても偽証には該当しない」「(野党側の)独自の推論や解釈を重ねた事実認定をもとに偽証という犯罪の告発に及ぶことは個人の名誉を棄損する」などと主張しています。

 しかし、「記憶に忠実な陳述」かどうか、「推論」「解釈」かどうかは告発を受けた司法が判断することであって、与党側が判断を下す事項ではありません。そもそも偽証の疑いがあれば告発しなければいけないというのが議院証言法の考え方です。与党の主張は、証人喚問という制度の根幹をゆがめるものです。

偽証を許さない

 さらに、与党側は過去に偽証は「いずれも贈収賄など重大な事犯にかかる偽証の疑いが濃厚であることから告発されたもの」として罪の重さを問題にしています。しかし、これも理由になりません。

 佐川氏の虚偽証言は、国会に提出された公文書を改ざんしていたという議会制民主主義の根幹にかかわる犯罪です。また、国有地を不当に安値で売却していたとなれば、国民の財産を棄損した罪にも問われます。こうした犯罪にかかわる証言で偽証の疑いがあるのに告発しないという理由にはなりません。

 メディアでも「『重大な犯罪ではない』という自民党の線引きが許されるなら、国会で虚偽答弁がまかり通ってしまう」(「朝日」8日付社説)との批判が上がっています。

 野党は引き続き偽証告発を求める姿勢を崩していません。国権の最高機関たる国会の権威を取り戻すためには、証人喚問での偽証を許さない厳正な態度を示すことこそ必要です。(佐藤高志)

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