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2018年8月17日(金)

主張

安倍首相発言

改憲への執念は世論に逆らう

 安倍晋三首相(自民党総裁)が地元・山口県での講演会で、9月の自民党総裁選に関連して、「いつまでも議論だけを続けるわけにはいかない」と、次の国会に自民党の改憲案を提案し、国会での改憲案発議を実現させる意向を明らかにしました。改憲への異常な執念です。安倍首相は先の通常国会に際しても、改憲「実現の時」を迎えていると通常国会での改憲案発議を目指しましたが、自民党案さえ正式決定できず、実現しませんでした。改めての首相発言は、改憲へのこだわりを浮き彫りにするとともに、総裁選など政局での求心力確保の思惑も絡みます。

国民の意思踏みにじる

 安倍首相は発議が実現できなかった通常国会の閉幕にあたっても、「自民党としての憲法改正案を速やかに国会へ提出できるよう、取りまとめを加速する」と発言しています。改憲案の発議をあきらめていないことを示したものですが、今回の発言は「次の国会」と時期を明示しており、決して見過ごせません。発言は改憲に積極的な産経新聞社系の講演会でのものです。地元の支持者や改憲勢力へアピールする狙いも込められており、憲法の尊重擁護義務(憲法99条)がある首相としての配慮は、みじんもありません。

 9月の自民党総裁選の後、秋には臨時国会が予定されます。「次の国会」となれば臨時国会が念頭にあるのは確実で、事態は予断を許しません。自民党総裁選は3選を目指す安倍氏と、9条を廃止、「国防軍」を明記することを主張してきた石破茂氏らとの対決になる見込みです。安倍氏が率先して改憲を争点に持ち出し、主導権を握ろうとしているのも明らかです。

 自民党内でも異常な改憲派の安倍氏が、政権に就いて以来、安保法制=戦争法の強行など憲法破壊の政治を続けたあげく、9条に自衛隊を明記するなどの明文改憲を持ち出してきたのは昨年5月です。自民党は同党案のとりまとめを続け、国会発議を目指してきましたが、正式に決められず、先の通常国会では衆参の憲法審査会での実質審議も行われていません。安倍政権が「森友」や「加計」問題で追い詰められていたのに加え、国民の多数が改憲を望まず、改憲を支持していないためです。

 NHKの今月の世論調査でも、自民党総裁選で争点として議論してほしいものとの問いに、「経済・財政政策」が26・5%、「地方の活性化」が20・1%などとなっているのに、「憲法改正」は6・4%にすぎません。国民が自民党総裁にさえ改憲を望んでいないのは明らかで、総裁選で改憲を争点に持ち出し、次の国会に自民党の改憲案を提出するというのは、こうした国民世論を踏みにじるものです。

無制限の武力行使の危険

 安倍氏は自衛隊違憲論に終止符を打つことを改憲の口実にし、今回の講演でも同じ趣旨を繰り返しています。しかし問われているのは自衛隊が「違憲か合憲か」ではなく、憲法に自衛隊を書き込むことで、9条を空文化、大っぴらに「戦争する国」に突き進むかどうかです。自民党がまとめている改憲案は、海外での無制限の武力行使に道を開く中身です。

 安倍改憲阻止の世論と運動を広げ、とりわけ「安倍改憲NO!」の3000万人署名を広げに広げきることが重要です。


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