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2018年8月15日(水)

夏時間 EUで廃止論 東京五輪「猛暑対策」で導入論あるが―

欧州議会の研究所「健康へ悪影響」

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 【ベルリン=伊藤寿庸】サマータイム(夏時間)を導入してきた欧州連合(EU)では現在、執行機関の欧州委員会がサマータイムの存続か廃止かについて、加盟国・市民の意見を募っています。安倍首相は2020年東京五輪・パラリンピックの猛暑対策として夏時間の導入の検討を自民党に指示しましたが、EU加盟国では不眠など健康への悪影響を理由に市民の間で廃止論が強まっています。

 欧州委員会が実施中の意見公募は8月16日までで、オンラインで意見を提出できます。

 フィンランドでは、廃止を求める市民請求で7万人以上の署名が集まり、政府がEUに廃止を要請。エストニアも廃止に賛成。リトアニアは見直しを求めています。

 サマータイムは、日照時間を有効利用し、家族と過ごす時間や、スポーツ・余暇活動にあてるのが趣旨。しかしこれら高緯度国では、夏はもともと一日の大半が日照時間。時計を1時間進めることのマイナスのほうが大きいと考えられています。

 ドイツでも、3月に保険会社DAKの世論調査で73%が廃止に賛成という結果が出ました。ベルリン市民に聞くと、「サマータイムの開始や終了のとき、地下鉄や電車は1時間完全にストップするし、いいことはない」と不評です。

 欧州議会は2月8日、サマータイムの見直しを求める決議を採択。決議は「欧州議会のシンクタンク(EPRS)を含め多くの科学的調査が人間の健康への否定的影響の存在を示唆している」と指摘しました。

 もともと欧州のサマータイムは、1970年代の石油ショックの際のエネルギー価格急騰を受け導入されました。しかし欧州委は、意見公募の説明文書で「エネルギー節約量はわずか」と認めています。導入の根拠とされた「交通事故の減少」についてもサマータイムが事故減少につながったことを示す確かな証拠はないとしています。


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