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2018年8月4日(土)

きょうの潮流

 見えないけれど、そこには打ち破れない「ガラスの天井」がある―。会社や組織で女性が不当に処遇されているときの例えです。人種などを理由に低い地位にとどめておく場合にも使われます▼英誌が発表した2018年版の「ガラスの天井」ランキングによると、日本は主要29カ国中28位。教育や職場における男女差、育児や出産の環境と幅広く調べたもので、不平等な国の形が浮き上がってきます▼さまざまな分野で女性の社会進出が妨げられている今の日本。入試で女子を一律に減点していたという東京医科大の問題はそれを象徴しています。実際、今春の合格者は8割が男子。点数操作は8年ほど前から続いていたといいます▼人生の目標や将来の夢がかかった大事で、こんなにもあからさまな差別が横行していたとは。この大学では、便宜を受けた見返りに文科省幹部の息子を合格させたとして前理事長らが贈賄の罪で起訴されたばかりです▼さらに驚かされたのは他でもやっているとの声が関係者から聞こえてきたこと。結婚や出産で女性は離職が多いとの指摘もありますが、働き続けられる環境づくりこそ率先してとりくむ課題ではないのか▼「女性の活躍」を掲げる安倍政権の下で、男女格差を示すジェンダーギャップ指数は世界114位と過去最低を更新し続けています。自民党からは性的少数者の人権を否定する発言が次々に。一方で差別を許さない社会を求める動きも広がっています。ガラスの天井を打ち砕く、正義の声です。


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