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2018年8月2日(木)

きょうの潮流

 校長の朗読でわかったのは「夫婦はイワシ」という所だけ。児童文学者の山中恒さんは子どもの頃、教育勅語を聞きながら不思議に思いました。うちの親はマグロのようなのに、なぜイワシなのか▼じつは「夫婦相和(あいわ)シ」がそう聞こえたそうです。『13歳からの教育勅語』(かもがわ出版)に紹介されています。子どもたちが意味もわからないまま、覚え込まされた戦前の教育勅語。全文315字の中で一番多く使われた用語は「臣民」でした▼天皇のために命を投げ出せ―。そうたたき込み、発表から敗戦にいたるまで最も大切な科目とされたのが「修身」です。特定の価値観を国家が強制することへの反省から戦後は廃止されますが、安倍政権下で道徳が教科化されました。修身の復活という声もあります▼来年度から中学校で道徳が教科になることに伴い、いま各地で教科書の採択が始まっています。特異な歴史観や愛国心を押し付けるような教科書もありますが、それを許さない市民運動の成果も表れています▼小学校では今年から道徳が教科になりました。どこからどこまでが押しつけか、押しつけではないか。多様な価値観を一つの価値に導くことができるのか。話を聞いた小学校の若い先生は苦悩しながらの授業が続いていると▼評価を伴う道徳の教科化は子どもたちや教師に混乱を持ち込んでいます。しかも、それを推し進める安倍政権や文科省では不正行為が相次ぐ体たらくです。まず自分たちが市民道徳を学ぶべきではないのか。


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