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2018年7月31日(火)

主張

「森友・加計」問題

国民の怒りと不信は持続する

 通常国会の閉幕から1週間余―。安倍晋三政権は閉会を待ちかねたように、「森友」問題での公文書改ざん事件で処分された岡本薫明財務省主計局長(改ざん当時の官房長)の財務次官就任や、首相秘書官として「加計」問題に関与し「本件は、首相案件」などと発言したとされる柳瀬唯夫経済産業審議官の退任人事をきめました。「森友・加計」問題などなかったような動きですが、国民の大多数は国会閉幕後も、「森友・加計」問題に怒り、納得していません。国民の世論と運動を広げ真相を追及するとともに、退場を迫る声を示すことが重要です。

世論の7、8割納得しない

 「森友・加計」問題だけでなく、前国会で問題になった防衛省・自衛隊の「日報」隠ぺい問題なども全容が明らかになっておらず、国会終了後も自民党の杉田水脈(みお)衆院議員の人権を踏みにじる暴言や、野田聖子総務相の情報公開制度を大きくゆがめる行動が明らかになるなど、憲法と人権、民主主義を破壊する言動は後を絶ちません。国民の怒りは広がっています。

 国会が閉幕してから、主要な全国紙や通信社の世論調査がほぼ出そろいましたが、「森友・加計」問題については「納得していない」が75%(「毎日」30日付)、77%(「読売」23日付)などと、7、8割の国民が疑念を抱いたままです。共同通信社の調査では、次の国会でも「森友・加計」問題を「追及するべきだ」が45・7%です(「東京」23日付など)。「朝日」やNHKは国会最終盤の調査ですが、例えば加計問題ついて、「朝日」で疑念が「晴れていない」が83%(16日付)、NHKでは「納得できない」が77%(9日)に上ります。

 安倍首相の妻、昭恵氏らが関与して、国有地が森友学園に当初は異例の貸し付けで、その後は大幅に値引きされた価格で譲り渡され、交渉文書が隠されたうえに、国会での虚偽答弁に合わせて実際に記録を廃棄してしまったというのは、民主主義の根幹を破壊する異常事態です。虚偽答弁や改ざんに関与した佐川宣寿前財務省理財局長が軽い処分だけで検察に起訴もされず、当時の官房長として責任が問われた主計局長が次官に昇格するなどというのは国民の納得を得られるものではありません。

 「加計」問題では、獣医学部開設に協力し、今治市とともに補助金を負担した愛媛県の文書などで、事前に加計孝太郎理事長と安倍首相が面談し、首相が「いいね」と発言したと記録されています。それにもかかわらず、首相も加計氏も根拠を示さず否定し、面談を受け学園側と会談し、「首相案件」などと発言したといわれる柳瀬元首相秘書官が国会での参考人招致にとどまり、証人喚問もないというのも信じられません。事態の全容解明と責任の追及は不可欠です。

民主主義の重大事態

 虚偽答弁や公文書の改ざん、隠ぺい、ねつ造、廃棄は民主主義の土台に関わります。「森友」問題で、「私や妻が関係していれば首相も国会議員もやめる」と発言しながら、国会会期中も自ら進んで解明の責任を果たさず、国会が終われば頬かむりするというのでは、あまりに無反省で無責任です。

 ことは民主主義の重大事態です。真相を解明するとともに安倍政権を追い詰めることが必要です。


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