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2018年7月30日(月)

資本主義の病巣 君臨するアマゾン(2)

休憩を半減「無茶だ」

写真

(写真)住宅街の中に建つアマゾン小田原物流センター=神奈川県小田原市内

 ネット通販大手アマゾンの施設で働く労働者はウェブサイト「2ちゃんねる」(現5ちゃんねる)の掲示板で情報交換や交流を続けています。小田原物流センター(FC)労働者用の掲示板もあり、書き込みは5万件を超えます。

 施設内で死者が出た直後の動揺も掲示板に記録されています。過酷な労働条件への不満が噴き出し、とりわけ休憩時間の短縮に非難が集中しました。

30分が15分に

 2013年12月29日。「倉庫で人死んだらしいね」。「夜勤の20代前半」。「最近休憩も減らされて勤務きつかったからな。みんなも無理すんなよ」。「やっぱ休憩時間(短縮)とか無茶だったんだよ。割と健康な俺でもきついもんよ」。「会社の体質が『事件になるまではほったらかし』だからこうなる。熱中症対策もバタバタ倒れてから」

 同30日。「最後にピック(商品採集)してから20分後に発見された」。同31日。「死人出ても省みずに15分休憩」。「7時出勤で15分休憩。こんなん無理無理。もたないよ」

 小田原FC開設当初は食事休憩と別に確保されていた30分間の中休みが、やがて15分間に短縮されました。人員を抑制するための変更だったと、施設内で働いていた大川あきらさんは見ます。

 「アマゾンの倉庫はだだっ広い。小田急線の小田原駅から秦野(はだの)駅まで約20キロメートルの線路を延々と歩くような感覚です。大量の商品を積んだ重い台車を押すのですから、へとへとです。トイレや休憩室も仕事場から遠く離れているので、15分間の休憩では全く休めない。疲労を回復できないのです」

最賃ぎりぎり

 主な勤務時間帯は午前8時から午後5時までです。しかし繁忙期には午前7時出勤や残業が呼びかけられます。夜勤は午後9~10時ごろから翌朝5~6時まで続きます。アマゾンが物流センターを24時間稼働させているためです。

 「通常勤務でもきついのですから、早朝出勤や残業をすると格段に疲労が増します。でも人の良い労働者が多く、呼びかけられると断れないのです。夜勤はさらに過酷です」

 大川さんが得た情報では、亡くなった20代男性は仕事をかけもちしていました。昼に別の職場で働きつつ、小田原FCで夜勤をしていました。

 「過酷な労働に耐えても時給は900円から950円。神奈川県の最低賃金ぎりぎりの水準でした。生活が苦しく、かけもちする人は多かったですね。夜勤は時給が上がるから、亡くなった男性はそれを目当てに来ていたのかもしれません」(つづく)

つづきは「しんぶん赤旗」日刊紙(紙媒体と電子版があります)でお読みください。


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