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2018年7月24日(火)

きょうの潮流

 1本の白い「ろうそく」が手元にあります。スイッチを入れると、芯の先にオレンジ色の火がともるライト。2016年、首都ソウルをはじめ、韓国全土で数十万、数百万の民衆が起こした「ろうそく革命」で実物のろうそくとともに使われました▼国政を私物化し、不正・不義を働いた朴槿恵(パク・クネ)・前政権に噴き出した国民の怒り。それは文在寅(ムン・ジェイン)新政権をうみだしました。運動の底に流れていたのは、分断国家ゆえの平和への渇望と希望でした▼新政権下での韓国の政治の変化は早い。とくに外交では板門店での南北首脳会談を成功させ、史上初の米朝首脳会談につなげました。半島の非核化、朝鮮戦争終結をふくむ平和体制の確立へ大きな一歩が踏み出されました▼「ろうそく革命」の源流といわれるのが、1919年に起きた3・1(サミル)独立運動です。日本による植民地支配が続くなか、独立宣言を読み上げてソウル中心の公園からはじまった非暴力の運動は、またたく間に半島各地に広がりました▼日本軍のひどい弾圧にあいますが、独立を求める民衆の灯は消えませんでした。この運動では女性のめざましい活躍もありました。来年は100年の節目にあたります▼「ろうそく」は韓国から日本に贈られ、安倍政権を倒そうという集会でも配られています。安保闘争や沖縄のたたかい、今の市民と野党の共闘をはじめ日本にも民衆運動の伝統は脈々と。人々の胸にともる小さな火。その炎が大きく広がるとき、たしかに世の中は動きます。


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