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2018年7月17日(火)

愛媛・西予 最盛期キュウリ出荷できず

農家悲鳴「ダム放流、国の責任は」

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(写真)肱川の濁流の被害に遭ったJA選果場内=15日、愛媛県西予市野村町

 記録的豪雨災害で死者5人、床上浸水が570棟の被害が出た愛媛県西予市野村町。県内でも最大の夏秋キュウリ産地で、現在出荷のピークを迎えていますが、JAひがしうわの選果場が氾濫した肱(ひじ)川の濁流に襲われ機能が果たせず、各生産者は収穫に加え、個人で選果・箱詰めの対応に追われています。

 農業生産法人代表取締の和氣數男(かずお)さん(71)は「キュウリは成長が早いので生産者は収穫だけでも大変。大きさなどの選別や箱詰めなど農協がするべきことを農家がするのは本当に大変なことです。出荷が間に合わず支援の要請もきています」と指摘します。和氣さん自身も事務所や地元の農産物などを直売する店が浸水し復旧のめどがたってないと話します。

 東宇和農業協同組合営農部の古本陽一部長は「選果場にあるリフトやトラック、選果機が濁流にのまれてしまいました。選果するパートを農家に行かせ、朝、夕の収穫後に一緒に選別・箱詰めをしてもらっています。しかし高齢者の生産者の中には選果までは無理だといって(キュウリの)株を切った人もいます」と話しました。古本部長は「これからカボチャの出荷時期になるので、それまでには復旧を間に合わせたい」と意気込みます。

 日本共産党の元旧野村町議でキュウリ生産者の和氣忠教さん(84)は「キュウリの売値が一番良いときに災害が起きてしまった。出荷したくても素人では大きさの選定は難しいし、箱詰めも合わせ作業に時間がかかります」と話しました。

 今回の肱川の氾濫による災害について和氣數男さんは「国交省は雨雲の予報を早く察知できたはず。あらかじめ肱川ダムの水位を低くするなどの対応もできたと思います。国交省の責任は重い。次の大雨の時の対応をどうするのか。それが分からなければ復興のめども立たないのではないでしょうか」と訴えます。


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