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2018年6月24日(日)

「再稼働議論せず」と公約したが…

再稼働「当然ありうる」

花角新潟県知事、任期中に

 先の新潟県知事選で“原発の検証をしっかり進め脱原発社会に全力”と公約し当選した花角英世知事が、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働について、自身の任期中でも「当然ありうる」と発言していたことが23日までにわかりました。

 花角氏は当選後の15日に上京し、来年度予算の概算要求に向けた県の要望を政府に伝え、原発政策を所管する世耕弘成経産相とも面会しました。その後、国会内で開かれた地元選出国会議員への説明会に臨みました。

 この中で、黒岩宇洋衆院議員(3区、無所属の会)が「条件付きで再稼働を認める可能性があるのか」とただしたのに対し、花角氏は「当然ありうる。1かゼロかの予断を持っていない」と答えたといいます。また花角氏は任期途中でも再稼働を判断することはありうるとし、その場合、任期途中で辞職して知事選で県民の信を問うこともあると述べたといいます。

 花角氏は、先の県知事選で、福島原発の事故原因、健康・生活への影響、避難計画の三つの検証結果が出るまでは「再稼働の議論はしません」と公約し、投票日の10日付地元紙にも「脱原発の社会をめざします」などの全面広告を出していました。それが選挙から1週間足らずで、再稼働は「当然ありうる」と踏み込んだことは、有権者に衝撃をもたらすものです。

 現在、福島の原発事故そのものが収束せず、事故原因の検証は終わっていません。健康・生活への影響も十分な検証ができない状態です。柏崎刈羽原発で事故が起きた時の、30キロ圏内の自治体の避難計画の作成や実効性も検証されていません。この中で再稼働は「当然ありうる」とすることは、花角氏の「公約」との整合性も問われます。(中祖寅一)


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