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日本共産党

2018年6月22日(金)

「不法移民」親子引き離し中止

内外から批判受け

米大統領令 不寛容政策「維持」

 【ワシントン=遠藤誠二】トランプ米大統領は20日、「不法移民」に対する「ゼロ・トレランス」(不寛容)政策に関連して、国境を越えて入国した親子を引き離す措置を中止する大統領令を出しました。「非人間的」など内外の批判を受けてのものです。


 トランプ大統領は20日、同大統領令に署名。「これは家族を一緒にさせるものだ」と述べるとともに「強力な国境警備は維持する。ゼロ・トレランスは続ける」とも語りました。

 ゼロ・トレランス政策は、必要な書類を持たず米国に入国した人たちをすべて犯罪者扱いし、起訴し拘置所に入れるもの。子どもは入国管理当局の保護下におかれ、親子は引き離されます。新たな措置では、親の刑事手続きの間、親子を同じ施設に収容します。

 4月19日から5月末まで、約2000組の親子が引き離されました。全米のテレビではここ数日、テキサス州のメキシコ国境近くの施設で、巨大なケージ(おり)に入れられた子どもたちが映し出され、「ママ」「パパ」と泣き叫ぶ幼児の声が流されています。

 これまでにグテレス国連事務総長、英国のメイ首相、メキシコのビデガライ外相らが同政策を批判。米国内でも、人権擁護団体はもとより共和、民主を問わず、議員の間から同政策の中止を求める意見が噴出していました。

 20日出された大統領令は、ゼロ・トレランス政策そのものをやめるものではありません。政府が子どもを収容できるのは20日間までで、起訴された親の勾留が20日を超えると、親子は再び離れ離れになります。

 米メディアはまた、これまで引き離された2000人以上の子どもが親元に帰される見込みがないと伝えています。


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