しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年6月21日(木)

きょうの潮流

 スポーツで番狂わせが起きたときによく「ジャイアントキリング」という言葉が使われます。弱者が強者を倒す。勝負の妙味の一つでしょう▼今回のサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会では、たびたびそれがみられます。前回優勝したドイツがメキシコに敗れ、ブラジルやアルゼンチンも下位のチームと引き分け発進。まだ緒戦とはいえ、波乱の幕開けとなっています▼日本も南米の強豪コロンビアに金星スタート。世界ランクも実力も上の相手に勝利したことは世界を驚かせました。アジア予選は突破したものの、W杯直前の監督交代や親善試合で負けが続いた日々。完敗した3週間前のガーナ戦ではブーイングが浴びせられました▼追いつめられた選手たち。しかし悲壮感はありませんでした。監督が代わってチームに一体感も。主将の長谷部誠選手が「すべてを受け入れて力に変えなければ」と話していたように、前向きさや反骨心が好結果につながったのかもしれません▼振り返れば、サッカーの向上と普及を掲げたJリーグが始まってから25年。日本は世界に追いつこうと試行錯誤を重ねてきました。W杯にも98年の大会以来名を連ね、分厚い壁にはね返されてきました▼トップレベルのサッカーを知る本田圭佑選手は、日本はチャレンジし続けないといけないと。あきらめない挑戦は進歩を生む。逆に力があっても、地位や立場に安住していては衰退の道をたどるだけ。スポーツに限らず、どんな分野にもいえることでしょう。


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