しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年6月20日(水)

米朝首脳会談1週間

非核化なら平和協定

8月 米韓軍事演習中止も

 歴史的な米朝会談から1週間。会談の重要な内容が明らかになるとともに、具体化が始まっています。

 【ワシントン=遠藤誠二】ポンペオ米国務長官は18日、米中西部ミシガン州デトロイトで演説し、先の米朝首脳会談でトランプ大統領が、北朝鮮が完全な非核化を行うならば、「休戦協定を変更することを確約する」と伝えていたことを明らかにしました。詳細は明らかにしませんでしたが、「休戦協定の変更」は、平和協定を締結することを意味するものとみられます。

 演説後の質疑応答でポンペオ氏は、米朝首脳会談の席で金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「完全な非核化にむけ強い意欲であることをかなり明確にした」と発言。その上で、「その見返りとしてトランプ大統領は、金委員長が求めている体制の安全保証を提供する、休戦協定の改定を確実にするとはっきり表明した」と明言しました。

 ポンペオ氏は「やることはたくさんあるが、大統領は約束を果たすために取り組む強い意欲でいる」と指摘。自身も訪朝し、非核化にむけた協議を行う可能性があることを示唆しました。

 【ワシントン=池田晋】米国防総省と韓国国防省は18日(日本時間19日)、米韓両軍が8月に予定していた定例の合同軍事指揮所演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」の中止で合意したと正式に発表しました。サンダース大統領報道官は同日の記者会見で、「北朝鮮が誠意をもって行動し続ける限り」演習の中止を継続する考えを示しました。

 12日の歴史的な米朝首脳会談の成功を受け、朝鮮半島情勢の緊張緩和と米朝間の信頼醸成とともに非核化を進めるため、米韓両国が取る最初の措置です。

 米国防総省は報道官の声明で、同演習に向けた全ての計画立案を中止したと明らかにし、「トランプ大統領の約束」と合致した決定だと説明。他の合同軍事演習についての決定はなされておらず、追加措置を引き続き「調整中」としています。

 トランプ氏は12日の会談後の会見で、合同軍事演習に莫大(ばくだい)な費用がかかる上に、「挑発的だ」として北朝鮮との交渉が継続する間は中止する考えを表明。演習中止は「北朝鮮が非常に感謝するものだ」とも述べ、長年反発してきた北朝鮮に配慮する姿勢も示していました。

 朝鮮中央通信13日付の報道によると、金正恩国務委員長は会談の場で、「相手を刺激し、敵視する軍事行動を中止する勇断を下さなければならない」と指摘していました。

 同演習は1976年に開始し、昨年は米軍から1万7500人、韓国軍から5万人以上が参加。朝鮮半島有事を想定した指揮命令系統や部隊運用の確認がされていました。


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