2018年6月5日(火)
基地のない沖縄へ――世界の激動の中で展望を語る
志位委員長の講演
日本共産党の志位和夫委員長は3日、沖縄県宜野湾市で開かれた「沖縄連帯のつどい」(主催=全国革新懇、沖縄革新懇)で講演しました。講演は次の通り。
沖縄のみなさん、全国からお集まりのみなさん、こんにちは。ようこそお越しくださいました。日本共産党の志位和夫でございます(拍手)。金城徹さん、呉屋守将さんをはじめ、来賓の方々に心からの感謝を申し上げます。(拍手)
私は、まず、安倍政権による強権的な辺野古新基地の押しつけを許さず、「建白書」実現のために不屈のたたかいを続けている「オール沖縄」のみなさんに、ともに最後までたたかいぬく決意を込めて、心からの敬意と連帯のあいさつを送ります。(拍手)
今日は、辺野古新基地建設を阻止し、基地のない平和で豊かな沖縄をつくる展望はどこにあるかについて、三つの角度からお話しさせていただきたいと思います。
翁長県政を断固守り抜き、発展させるなら、辺野古新基地は決してつくれない
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私が、第一に訴えたいのは、今年11月の県知事選挙で、翁長県政を断固守り抜き、発展させることができれば、辺野古新基地をつくることは決してできないということであります。(拍手)
政府は「護岸工事は順調」と宣伝するが、実際は、行き詰まっている
安倍政権は、強権的に護岸工事を強行し、既成事実をつくることで、県民をあきらめさせようという卑劣な企てを進めてきました。
しかし、護岸工事は順調に進んでいるわけではありません。現時点までで、護岸工事が着手済みか近く着手予定の区域は、もっぱら辺野古崎の南側――辺野古側の浅瀬の区域にとどまっています。辺野古崎の北側の区域――大浦湾側の深場の区域は、護岸工事がほとんど着手されておらず、着手する予定すらたっていません。
政府は、「護岸工事が順調に進んでいる」と宣伝していますが、実際は、行き詰まっているのであります。
超軟弱地盤の存在――地盤改良のためには知事の承認が必要
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なぜそんなことになっているのか。沖縄県民の不屈のたたかいが工事を抑える大きな力となって働いています。それに加えて、その重大な理由が、政府が今年3月に公表した沖縄防衛局作成の「シュワブ地質調査報告書」で、はっきり浮かびあがりました。
この「報告書」は、沖縄防衛局が2014年から約2年間実施したボーリング調査をまとめたものです。大浦湾側の区域に多数の軟弱地盤が確認されたことが詳細に明記されています。とりわけ深刻なのは、水深が一番深く、ケーソンと呼ばれるコンクリート製の巨大な箱を投入してつくる護岸の建設予定地付近です。地盤の強度を示す「N値」が0(ゼロ)の超軟弱地盤が厚さ約40メートルにわたって続いています。「N値」が0というのは、豆腐かマヨネーズのような地盤と言われます。豆腐かマヨネーズのうえに巨大なケーソンを投入したら、ズブズブと沈み、傾いてしまう。ですから「報告書」はこうのべているのです。
「当該地においては、構造物の安定、地盤の圧密沈下、地盤の液状化の詳細検討を行うことが必須と考える」
こうして、大浦湾側の全長1・3キロメートルもの「ケーソン式護岸」は、着工のメドがまったくたたない状況にあります。護岸工事は深刻な行き詰まりに突き当たっているのです。大浦湾の自然からきびしい「罰」を受けているのが安倍政権の現状です。(拍手)
こうしたもとで建設を続けるには大規模な地盤改良工事が不可欠であり、それをやるためには翁長知事から設計変更の承認を得る必要があります。翁長知事は、知事権限を行使して、断固拒否するでしょう(拍手)。ですから、これ一つをとっても、翁長県政を断固守り抜き、発展させることができれば、辺野古新基地をつくることはできないのであります。(拍手)
2年間も「不都合な真実」を隠ぺい――展望が見えず焦っているのは安倍政権
実は、この「報告書」は、2年前、2016年3月に作られたものです。政府は、それを2年間もひた隠しにしてきました。昨年4月、赤嶺議員の質問に対して、政府は「軟弱な地盤が確認されたという報告は受けてございません」と、ウソの答弁までして隠し続けてきたのです。
赤嶺議員が公開要求するもとで、ようやく「報告書」が公表されたのは今年3月です。2月の名護市長選挙の直後でした。「報告書」に明記されている「不都合な真実」を隠し続けて、名護市長選をのりきろうとした。何と卑怯(ひきょう)・卑劣な態度でしょうか。
同時に、この隠ぺいの経過は、「報告書」に明記された超軟弱地盤という事実が、いかに新基地建設にとっての重大な障害かを示しているではありませんか。新基地建設の展望が見えず、焦っているのは安倍政権の側なのであります。(「そうだ」の声、拍手)
サンゴの移植問題――知事が行使できる権限はほかにもたくさんある
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知事が行使できる権限は、ほかにもたくさんあります。
埋め立て予定海域には多くのサンゴが生息しています。私も、船で海底をながめ、その美しさに息をのむ思いでした。サンゴを移植しなければ、工事は進められません。辺野古崎の南側の浅瀬区域も、土砂を入れて埋め立てようとすれば、絶滅危惧種に指定されているオキナワハマサンゴなどの移植が必要です。辺野古崎の北側の大浦湾の区域で、護岸工事がわずかに進めたところで中断しているのも、サンゴの移植が必要だからです。
翁長知事はサンゴの移植をすべて「不許可」にしています。この点からも工事は容易に進めることはできません。
みなさん。11月の県知事選挙で翁長県政を断固守り、発展させることができれば、辺野古新基地は絶対につくれない――ここに確信をもって頑張り抜こうではありませんか。(大きな拍手)
「オール沖縄」の力で、翁長知事の再選を必ず勝ち取ろう
辺野古のキャンプ・シュワブのゲート前では、新基地建設中止を求めて、不屈のたたかいが続いています。ゲート前で開かれた「4・28県民屈辱の日を忘れない県民集会」は、1500人の県民のみなさんで埋め尽くされたと聞きました。「勝つ方法はあきらめないこと」を合言葉にした不屈のたたかいに、全国が連帯してたたかうことを呼びかけたいと思います。(拍手)
翁長知事は、埋め立て承認を「撤回」するという意思を表明しています。私たちは、知事の不退転の決意を断固支持してともにたたかうものであります。(拍手)
「辺野古県民投票の会」のみなさんが――さきほど呉屋さんからもお話がありましたが、辺野古新基地のための「埋め立ての賛否を問う」県民投票の運動を始めました。日本共産党は、県民が県民投票の形で民意を表明することは、翁長知事を先頭とした不屈のたたかいを前進させるうえで積極的意義をもつと考え、この運動に全面的に協力することを決めました(拍手)。決めたからには、その成功のためにトコトン力をつくすことをお約束したいと思います。(大きな拍手)
辺野古現地での抗議行動、知事の「撤回」を支える世論と運動、県民投票の成功をめざす運動のそれぞれを前進させ、「オール沖縄」の大運動として合流し発展させ、11月の県知事選挙での翁長知事の再選を必ずかちとるために心を一つにして頑張り抜こうではありませんか。(拍手)
そして、私は、この場をかりて訴えたいと思います。全国のみなさんが、「オール沖縄」のたたかいに固く連帯し、辺野古新基地を阻止し、基地のない平和で豊かな沖縄の実現のためにともにたたかうことを心から呼びかけるものです。(指笛、大きな拍手)
朝鮮半島の平和の激動によって、「抑止力」という「基地押しつけ」論が崩壊
私が、第二に訴えたいのは、いま朝鮮半島で起こっている平和の激動によって、安倍政権が辺野古新基地押しつけの最大の口実としてきた、「抑止力」のためという「基地押しつけ」論が、崩壊しつつあるということです。(拍手)
安倍政権が繰り返してきた「辺野古新基地押しつけ」論
安倍政権は、沖縄県民の意思を踏みつけにして、新基地を押しつけるうえで、次のような口実を繰り返してきました。安倍首相などの国会答弁はこうです。
「我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増している中、在沖米海兵隊を含む在日米軍全体のプレゼンスや抑止力を低下させることはできない」
「東アジアの各地域――朝鮮半島、台湾海峡といった潜在的紛争地域に対し距離的に近いといった沖縄の地理的優位性、また陸上部隊、航空部隊、後方支援部隊等を統合した組織構造を有し、すぐれた機動性、即応性を備える米海兵隊の特性を考慮したときに、辺野古が唯一の解決策だ」
“北朝鮮による核・ミサイル開発など、日本を取り巻く安全保障環境はいよいよ厳しさを増している、在日米軍の「抑止力」が低下することがあってはならない、朝鮮半島や台湾海峡に近い位置にある沖縄の米海兵隊の役割は重要だ、だから辺野古しかない”――これが繰り返されてきた「辺野古新基地押しつけ」論でありました。
もともとこの「基地押しつけ」論は、それ自体が虚構です。なぜなら、沖縄の海兵隊がやってきたことは、ベトナム戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争など、世界中でアメリカが引き起こす無法な戦争に、つねに先陣を切って「殴り込み」の任務をはたすことであり、もともと日本の平和や安全を守ることとは無関係のものだったからです。沖縄県民の多くは、「抑止力」なるものの正体を見抜いておられます。沖縄では、「抑止力」のことを「ユクシ」といいますね(笑い)。“ウソ”ということです。「ユクシ」を繰り返す人は「ユクサー」ですね。(笑い)
それでも、「北朝鮮の脅威に備える」という「辺野古新基地押しつけ」論が、沖縄県民、日本国民のうえに重くのしかかってきたことは否定できないことだったと思います。
情勢の大激変と日本共産党が行ってきた要請
ところが情勢の大激変が起こっているではありませんか。
4月27日、歴史的な南北首脳会談が成功し、「朝鮮半島の完全な非核化」と「年内の朝鮮戦争の終結」を宣言しました。これに続いて、6月12日に予定された米朝首脳会談は、この間、さまざまな曲折もありましたが、昨日(2日)、トランプ米大統領は正式に12日の開催を表明しました。双方の発表を見ますと、米朝は、非核化と安全の保証で大枠の合意に到達したとみてよいのではないかと思います。なお予断を許さない面もありますが、米朝ともに対話による問題解決の強い意思を示しており、その成功が強く期待されます。(拍手)
日本共産党は、4月6日、「対話による平和的解決のチャンスをぜひ実らせてほしい」との思いで、関係6カ国――米韓中朝日ロの政府への要請を行いました。対話と交渉を進めるにあたって、とくに重視してほしい二つの点を要請しました。
第一は、朝鮮半島の非核化と、北東アジア地域の平和体制の構築を一体的に進めることです。朝鮮半島の非核化は最大の目標にすえられるべきですが、実際にそれを実現しようと思ったら、一方的に非核化を求めるだけでは話が進みません。朝鮮戦争以来続いている戦争状態に終止符を打ち、南北、米朝、日朝の緊張緩和・関係改善・国交正常化をはかり、北朝鮮に「核兵器がなくても安全だ」と感じさせるような環境をつくる――地域の平和体制を構築することが必要です。非核化と平和体制構築を一体で進めてこそ、双方を実らせることができる。これが私たちの主張ですがいかがでしょうか。(拍手)
第二に、非核化と平和体制構築で一括合意したとして、その実行方法は、2005年9月19日の6カ国協議の共同声明で確認した「約束対約束、行動対行動」に従い、段階的に履行していくことが現実的だということです。
朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和体制の構築を一体的に、段階的に進める――これが私たちの要請です。私たちは、この要請を関係各国に伝え、働きかけを続けてまいりましたが、その後の南北首脳会談、米朝首脳会談への動きを見ても、私たちの要請の方向は、関係各国が努力している方向と――正確に言えば安倍政権以外の関係各国が努力している方向と(笑い)、合致したものであり、問題解決の唯一の方向であると確信をもって言いたいと思います。(拍手)
いま進展している動きが成功をおさめれば、世界史の転換点となる
そして、私が強調したいのは、いま進展している朝鮮半島問題の対話による平和的解決の動きが成功をおさめれば、世界史の転換点となるということです。この地域の情勢が一変するということです。これまで「脅威」といわれてきたものが脅威でなくなり、各国の関係も敵対から友好への大転換が起こるでしょう。
すでにASEAN(東南アジア諸国連合)の国ぐには、東南アジア友好協力条約(TAC)を結び、あらゆる紛争問題を平和的な話し合いで解決する地域の平和協力の枠組みをつくっていますが、そうした地域の平和協力の枠組みを北東アジアにもつくる展望が開かれるでしょう。私たちは、かねてからそれを「北東アジア平和協力構想」として具体的に提唱してきましたが、この構想が現実のものとなる展望が開かれるでしょう。
そうした世界史の大きな転換が起こりうるところに来ている。私たちは、北東アジアを平和の地域にしていくために、引き続きあらゆる努力を払う決意であります。(拍手)
情勢の大変動は、基地のない沖縄をめざすたたかいに新たな展望をもたらしている
こうした日本を取り巻く情勢の前向きの大変動のもとで、「抑止力のため」という「基地押しつけ」論が崩壊しつつあります。それは基地のない沖縄をめざすたたかいに、新たな可能性と展望をもたらしています。
日米が普天間基地返還に合意した1996年に米国防長官をつとめたウィリアム・ペリー氏は、3月、沖縄県がワシントンで主催したシンポジウムで、こう言いました。
「北朝鮮の脅威がなくなれば、在日米軍、とくに普天間基地に駐留している部隊について、その存在理由が完全になくなり得る」(拍手)
元内閣官房副長官補の柳沢協二氏は、沖縄タイムスで、次のようにのべています。
「そもそも、軍隊をどこに置くかは財政的、政治的な理由で決まるもので、米軍が対北朝鮮や対中国のために沖縄にいなければならない軍事的理由はもともとないが、それを説明する論理として北朝鮮や中国の『脅威論』が使われてきた。南北の緊張が緩和され、米中の協調が進めば、その脅威論はいずれも使えなくなる。特に、海兵隊が沖縄に駐留する理由として言われていた『北朝鮮に近い』という距離的な優位性も考える必要がなくなる。いずれにしろ、今回の(南北首脳)会談で、東アジア全体の戦略的安定につながるような形で北朝鮮問題を解決していくチャンスが生まれる。それを、そういう形で使うか使わないかは政治の意志次第だ」
憲法9条を持つ国の政府として、平和のプロセスを促進する外交的イニシアチブを
まさに、私は「政治の意思」が問われていると思います。
いま日本政府に求められているのは、情勢の前向きの大変動のなかで、破たんした「抑止力」論を振りかざして辺野古新基地を強要することでなく、憲法9条を持つ国の政府として、いま進展しつつある平和のプロセスを促進する外交的イニシアチブを発揮することではないでしょうか。(大きな拍手)
そして、この展望のなかに沖縄を位置づけてみたとき、沖縄の希望ある未来が見えてくるのではないでしょうか。
この地は、琉球王国時代、日本、中国、朝鮮、東南アジアとの豊かな交易によって栄えてきました。翁長知事は、21世紀の沖縄の未来として、本土とアジアの平和の「架け橋」をめざすと述べておられます。
みなさん。こうした夢を現実のものとしうる情勢が進展していることに確信をもって、力をあわせようではありませんか。(拍手)
沖縄を再び核の根拠地にするな――「核兵器のない世界」めざす世界の本流と響きあう
私が、第三に訴えたいのは、沖縄を再び核戦争の根拠地にさせないためにも、辺野古新基地建設は絶対に阻止しなければならない、そのための沖縄県民のたたかいは「核兵器のない世界」をめざす世界の本流と響きあっているということです。
「沖縄と核」――占領下の沖縄で起こった戦慄の事実
昨年9月、NHKの特集番組――「沖縄と核」が、米軍占領下の沖縄で起こった戦慄(せんりつ)の事実を放映しました。
――1953年7月、朝鮮戦争への対応を協議する米NSC(国家安全保障会議)でアイゼンハワー大統領が「緊急時の使用に備えて、核兵器を沖縄に配備する」ことを決定し、伊江島では強制的な土地接収によって爆撃場をつくり、核爆弾投下訓練を実施し、核模擬爆弾が爆発して住民の犠牲者を出していた。
――1959年6月、米軍那覇飛行場(当時)で核を装着したナイキ・ハーキュリーズが、誤って発射され、海に落下し、あわや核爆発によって那覇市が消滅しかねない危機が起こっていた。
――1962年、沖縄に四つのメースB(核ミサイル)基地が建設され、同年10月、キューバ危機が起こると、米軍は核戦争への最高度に準ずる準備態勢を意味する「DEFCON2」を宣言したが、沖縄のメースBはいつでも発射できる態勢の「HOT」が表示され、核戦争となれば沖縄が消滅する危機にさらされていた。
米軍占領下の沖縄は、18種類、1300発もの核兵器が持ち込まれ、核戦争遂行の一大根拠地とされました。その恐るべき実態が放映されました。
「しんぶん赤旗」のスクープ――沖縄への新たな核持ち込みの危険を告発
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この問題は過去の問題にとどまりません。
1972年5月、沖縄が日本に返還されたさい、核兵器は撤去したとされています。しかし、これに先立つ1969年11月19日、当時の佐藤首相とニクソン米大統領の間で、米軍は「有事」になれば沖縄に核兵器を再配備する権利を保持し、嘉手納弾薬庫や辺野古弾薬庫などを「何時(いつ)でも使用できる状態に維持」するとした密約をかわしていたことが明らかになっています。
こうしたもとで、今年3月5日付「しんぶん赤旗」は、沖縄への新たな核持ち込みの危険な動きをスクープしました。米議会が設置した諮問機関「米国の戦略態勢に関する議会委員会」が、2009年2月、在米日本大使館関係者から行った意見聴取の内容を記載した文書を入手して明らかにしたのです。この委員会で、シュレジンジャー副議長(元米国防長官)が、「沖縄かグアムへの核貯蔵庫建設についての日本の考えはどうか」と質問しています。これに対して、在米日本大使館の秋葉公使(現外務事務次官)は、「そうした提案は説得力がある」と、沖縄への核再配備の可能性を明確に肯定したのです。
日本政府は、この事実を否定していますが、その根拠は担当課長が事務次官の秋葉氏に聞いて「そんなことはなかった」といったというものです。しかし、担当課長が官僚のトップ――事務次官に聞いて本当のことをいいますか(笑い)。政府がいくら否定しても、その後、当事者の証言などから、「赤旗」のスクープ内容の真実性は揺るぎないものとなりました。
「非核三原則」を掲げながら、沖縄への核再配備を積極的に肯定する。許しがたい話ではありませんか。わが党は、他の野党のみなさんとも協力し、秋葉氏の国会招致も含め、真相と責任の徹底究明にとりくむ決意を申し上げたいと思います。(拍手)
「沖縄への核再配備という選択肢を消すためにも、新基地建設は阻止を」
この問題は、辺野古新基地と密接に関係しています。
米科学者団体「憂慮する科学者連盟」のグレゴリー・カラーキー博士は、2009年の秋葉発言に続き、2014年には米海兵隊が内部文書に辺野古弾薬庫再開発を明記している点を指摘し、「沖縄への核再配備という選択肢を消すためにも、新基地建設は阻止しなければならない」と訴えています。
辺野古新基地がつくられれば、辺野古弾薬庫と一体となった巨大基地となります。そこに核が配備されれば、文字通り核戦争の拠点とされます。まさに悪夢です。そのような恐ろしい道は、断じて許してはならないということを、私は訴えたいのであります。(大きな拍手)
核兵器禁止条約の採択――大きく変わりつつある世界の姿
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みなさん。世界に目を転ずれば、昨年7月、国連で核兵器禁止条約が122の国の賛成で採択され、核兵器を法的に禁止し、「悪の烙印(らくいん)」を押すことで、廃絶に進もうという画期的な流れが広がっています。私も、昨年3月と7月に、国連会議に参加し、核兵器禁止条約の採択にむけた働きかけを行うなかで、大きく変わりつつある世界の姿に直接接し、胸が躍る思いでありました。
こうしたときに、唯一の戦争被爆国の政府でありながら、「核抑止力」論をふりかざし、核兵器禁止条約に背を向ける。そればかりか沖縄への核再配備を容認・肯定する。何という情けない、恥ずかしい、許しがたい政府でしょうか。
辺野古新基地建設に反対し、基地のない平和な沖縄をめざすたたかいは、「核兵器のない世界」をめざす世界の本流と響きあう、大義あるたたかいでもあるということを、私は、訴えたいのであります。(大きな拍手)
展望を現実のものにする力は、立場の違いを超えた共闘にある
三つの角度から、辺野古新基地建設を阻止し、基地のない平和で豊かな沖縄をつくる展望についてお話しいたしました。
この展望を現実のものにする力はどこにあるでしょうか。政治的な立場の違いをこえた共闘にあります。2014年に生まれた「建白書」実現をめざす「オール沖縄」のたたかいは、翁長県政という素晴らしい平和のよりどころをつくりました。安倍政権の卑劣な攻撃をはね返し、「オール沖縄」の結束をさらに強め、前進させ、翁長知事の再選をかちとることを心から訴えるとともに、日本共産党がその一翼を担ってあらゆる力をつくす決意を表明したいと思います。(拍手)
2014年に開始された「オール沖縄」のたたかいに学び、2015~16年、安保法制=戦争法反対のたたかいのなかで、全国規模での市民と野党の共闘が開始されました。この共闘にはさまざまな曲折もありますが、16年参院選、17年総選挙で、たしかな成果をあげた――共闘こそ安倍政権を倒す道であることは誰も否定することはできない事実ではないでしょうか。(大きな拍手)
10日投開票となる新潟知事選挙は、市民と野党の統一候補・池田ちかこさんと、安倍政権丸抱えの中央官僚候補の一騎打ちの大激戦となっています。昨日、5野党・1会派の党首がそろいぶみで池田ちかこさんを応援しました。新潟での勝利のために、全国からの支援を訴えたいと思います。(拍手)
そして、来年の参院選では、市民と野党の共闘を「本気の共闘」へとさらに発展させ、自民、公明とその補完勢力を少数に追い込むことをめざしたい。その中で日本共産党も躍進をかちとる決意です。(拍手)
みなさん。市民と野党の共闘を発展させ、安倍政権を倒し、自民党政治を終わりにすることができれば、辺野古新基地を阻止することはもちろん、沖縄の基地問題を一挙に解決する道も大きく開かれてくるでしょう。そのためにみなさんとともに、あらゆる知恵と力を発揮してたたかい抜く決意を申し上げて、今日の訴えとしたいと思います。ともに頑張りましょう。(指笛、大きな拍手)