2018年6月4日(月)
沖縄連帯のつどい 「オール沖縄の結束で基地のない沖縄を」
辺野古新基地阻止の展望はどこにあるか
志位委員長が講演
日本共産党の志位和夫委員長は3日、沖縄県宜野湾市での「沖縄連帯のつどい」で講演し、名護市辺野古の米軍新基地建設を阻止し、基地のない平和で豊かな沖縄をつくる展望を三つの角度から訴えました。
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翁長県政を守り発展させるなら新基地建設はできない
第一は、今年11月の県知事選で翁長県政を断固守り抜き、発展させるなら、辺野古新基地建設は決してできないということです。
志位氏は「安倍政権は強権的に護岸工事を強行し、県民をあきらめさせようとしているが、工事は順調に進んでいるわけではありません」と指摘。辺野古崎北側の大浦湾側の深場では護岸工事がほとんど進んでいない事実をあげました。
「その理由はどこにあるか」と問いかけた志位氏は、今年3月に公表された沖縄防衛局作成の「シュワブ地質調査報告書」に、大浦湾側で水深が一番深く、ケーソン(コンクリート製の箱)を投入する区域には地盤の強度を示す「N値」が0(ゼロ)という超軟弱地盤が厚さ約40メートルにわたって存在していることが明記されていることをあげました。志位氏は、「『N値』ゼロは豆腐かマヨネーズのような地盤で、巨大なケーソンを投入したらズブズブと沈み、傾いてしまいます。護岸工事は深刻な行き詰まりに突き当たっているのです」と指摘しました。
建設を続けるには大規模な地盤改良工事が不可欠であり、翁長知事から設計変更の承認を得る必要があります。志位氏は「知事は権限を行使して、断固拒否するでしょう。翁長県政を断固守り抜き、発展させれば辺野古新基地をつくることはできません」と力を込めました。
また、志位氏は「辺野古県民投票の会」による辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票の運動について、「県民投票の形での民意の表明は、翁長知事を先頭とした不屈のたたかいを前進させるうえで積極的意義をもつと考え、成功のために全力をつくします」と表明しました。
朝鮮半島の平和の激動で「基地押しつけ」論は崩壊
第二は、朝鮮半島で起こっている平和の激動によって、「抑止力」のためという「基地押しつけ」論が崩壊しつつあることです。
志位氏は、4月27日の南北首脳会談で「朝鮮半島の完全な非核化」と「年内の朝鮮戦争の終結」を宣言し、トランプ大統領も12日の米朝首脳会談の開催を正式に表明するという動きについて、日本共産党が4月6日、関係各国に対して、「朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和体制の構築を一体的、段階的に」進めるよう要請してきた方向と一致すると歓迎。「朝鮮半島問題の対話による平和的解決の動きが成功すれば、地域の情勢が一変し、各国の関係も敵対から友好への大転換が起こります。『抑止力のため』という『基地押しつけ』論が崩壊し、基地のない沖縄をめざすたたかいに、新たな可能性と展望をもたらします」と述べました。
志位氏は、日米が普天間基地返還に合意した1996年に米国防長官をつとめたウィリアム・ペリー氏が「北朝鮮の脅威がなくなれば、在日米軍、とくに普天間の部隊について、その存在理由が完全になくなり得る」と述べていることなどをあげ、「政府に求められるのは、破綻した『抑止力』論で辺野古新基地を強要するのではなく、憲法9条を持つ国の政府として、平和のプロセスを促進する外交的イニシアチブの発揮ではないでしょうか」と力強く訴えました。
新基地阻止で沖縄を核戦争の根拠地にさせない
第三は、沖縄を再び核戦争の根拠地にさせないためにも、辺野古新基地建設を絶対に阻止するということです。
志位氏は、米軍占領下の沖縄県には18種類、1300発もの核兵器が配備されていた事実や、沖縄の日本返還後も米軍は「有事」に核兵器を再配備する権利を保持し、嘉手納弾薬庫や辺野古弾薬庫などを使用可能な状態に維持するとした密約の存在をあげました。
さらに、米議会が設置した諮問機関「米国の戦略態勢に関する議会委員会」が2009年2月、在米日本大使館関係者から意見聴取を行った中で、「沖縄かグアムへの核貯蔵庫建設についての日本の考えはどうか」との米側の質問に対し、秋葉剛男公使(現外務事務次官)が「そうした提案は説得力がある」と述べていた事実が明らかになりました。志位氏は「非核三原則を掲げながら、沖縄への核再配備を積極的に肯定する。許しがたい話です。国会で真相を徹底究明したい」と表明。さらに、「辺野古新基地は、辺野古弾薬庫と一体の巨大基地となります。そこに核が配備されれば、文字通り核戦争の拠点とされます」と指摘し、辺野古新基地を阻止する重要性を強調しました。
志位氏は、唯一の戦争被爆国でありながら、昨年7月に採択された核兵器禁止条約に背を向け、沖縄への核再配備まで容認・肯定する政府を厳しく批判。辺野古新基地建設に反対するたたかいは「『核兵器のない世界』をめざす世界の本流と響きあう、大義あるものです」と強調しました。
「オール沖縄」を強め発展させるためにあらゆる力つくす
志位氏は、こうした展望を現実のものにするためにも「『オール沖縄』の結束をさらに強め、発展させるために、あらゆる力をつくします」と表明。さらに、「オール沖縄」のたたかいに学び、全国規模での市民と野党の共闘が発展をとげていることをあげ、10日投開票の新潟県知事選での市民と野党の統一候補・池田ちかこ氏の勝利や、来年の参院選で市民と野党の共闘を「本気の共闘」へと発展させ、自公と補完勢力を少数に追い込むことを訴え、日本共産党躍進への決意を表明しました。
志位氏は「市民と野党の共闘を発展させ、安倍政権を倒し、自民党政治を終わりにすれば、辺野古新基地の阻止や、沖縄の基地問題も一挙に解決する道も大きく開かれます」と訴え、力強い拍手と指笛に包まれました。