2018年5月30日(水)

安倍９条改憲NO！　３０００万人署名

９２歳「戦争だけは絶対だめ」

奈良県の谷山さん

教え子などから賛同７００人超

　「戦争だけは絶対にだめだ」と「安倍９条改憲ＮＯ！　３０００万人署名」を７２７人分（５月２８日現在）集めた、奈良県生駒市在住の谷山清さん（９２）の思いを聞きました。（奈良県・石橋和美）

（写真）３０００万人署名を７２７人分集めた谷山清さん

　奈良市などで小学校の教員を３８年間務めた谷山さん。５００人分の署名を集めようと、教え子や知り合いに、趣旨を書いた手紙に署名用紙と返信用封筒を同封して７０人に呼びかけ、５０２人分が集まりました。他にも、地域住民や通院先の知り合いなどから２２５人分が集まっています。

　協力者もいます。谷山さんが健康維持のため毎日飲んでいる朝鮮ニンジンを販売している大阪の女性です。「すぐ集まるよ」と北海道の知り合いなどにも呼びかけて１週間ほどで７５人分の署名を集めてくれました。

「今がその時」

　広島の修学旅行の思い出をつづった文集の中で、平和のために何かしたいと書いた教え子の女性。谷山さんの「今がその時です」という手紙に応え、５０人分を集めてくれました。谷山さんの人柄にひかれた多数の教え子から署名が集まっています。

　谷山さんは、満州事変の翌年(１９３２年)に小学校に入学。日本がアジアの国々を侵略した１５年戦争の時代を軍国少年・青年として過ごしました。４４年に学徒動員、翌４５年６月に大阪の部隊に入隊し、そのまま終戦を迎えました。

９条に思いが

　Ｂ２９（爆撃機）による空襲の恐ろしさを体験し、焼け野原となった大阪の街を目の当たりにしました。「もう戦争はこりごり。戦争だけはだめだ」という強い思いが胸に刻まれました。日本国憲法９条は自分の思いが乗り移ったような条文だと感じました。９条は「子どもや孫の世代に日本が再び過ちを繰り返さないための大事な宝だ」と教員生活のなかで平和教育に打ち込みました。退職後は、憲法９条の会・生駒や生駒南第２小学校区９条の会結成の呼びかけ人の１人として活動してきました。

　「教え子らから手紙が返ってくるのを毎日、楽しみにしています」と谷山さん。「年のため、署名行動には参加できないので、せめて手紙を出すという自分なりのやり方で、これからも３０００万人署名を集めていきたい」とほほ笑みました。