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2018年5月27日(日)

米海兵隊機 相次ぎ緊急着陸

部隊交代時期 訓練激化

 佐世保基地(長崎県佐世保市)配備の米海軍強襲揚陸艦などに搭乗し、インド・太平洋地域を定期的に作戦行動する在沖米海兵隊の第31海兵遠征隊(31MEU、司令部=キャンプ・ハンセン)の歩兵部隊が5月21日、交代しました。6月からの新たな作戦展開にむけての交代ですが、その準備期間にあたる4月に同部隊配属の航空機の緊急着陸が相次ぎました。(佐藤つよし)


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(写真)熊本空港に緊急着陸した米軍ヘリ=4月18日、熊本県益城町(日本共産党の甲斐康之前町議撮影)

 米太平洋軍(ハワイ)のホームページのニュース(21日付)は、31MEUの主力の大隊揚陸団(約1200人)が第1海兵連隊第1大隊(ハワイ)から第5海兵連隊第2大隊(カリフォルニア州)に交代したと報じました。

半年交代で派遣

 4月21日、31MEUの陸上部隊は「春の作戦行動」を終えホワイトビーチ(沖縄県うるま市)で強襲揚陸艦ワスプから降りました。これを前後して海兵隊航空機による緊急着陸が頻発します。熊本空港(熊本県)にUH1Y汎用ヘリとAH1Z攻撃ヘリ各1機(4月18日)、航空自衛隊築城基地(福岡県)にF35Bステルス戦闘機1機(24日)、奄美空港(鹿児島県)に垂直離着陸機MV22オスプレイ2機(25日)と、いずれも31MEUに配属される航空機です。

年表:在日米海兵隊の航空機の動き

 31MEUは、毎年6月から翌年5月までの1年間が展開サイクルです。オスプレイは普天間基地(沖縄県宜野湾市)の飛行隊(12機)2個を1年交代で配属。歩兵部隊やAH1Z攻撃ヘリ4機、UH1Y汎用ヘリ3機、CH53E大型ヘリ4機は米本土やハワイから半年交代で派遣されます。

 半年交代で米本土から派遣されていたAV8BハリアーII攻撃機に代わり、昨年1月以降、16機が岩国基地(山口県岩国市)に配備されたF35Bは、6機の分遣隊を交代で配属します。今年3月5日、ワスプに初めて搭載され、4月1日からの米韓合同演習に参加。5月9~24日には、F35B8機程度と人員140人が、岩国基地から三沢基地(青森県三沢市)に展開し、三沢(天ケ森)対地射爆撃場での実弾射爆撃を含む日米共同演習を実施しました。

 奄美空港に緊急着陸したオスプレイは、尾翼にかかれた機体番号や部隊記号「ET」から、6月から31MEUに配属される予定の第262海兵中型ティルトローター飛行隊の所属機でした。

緊急事態へ即応

 わずか8日間に繰り返された緊急着陸は、「アジア重視」で緊急事態への即応態勢をとる米海兵隊が、日本全国を出撃準備の拠点として飛行や訓練を激化させていることを示しました。


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