しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年5月25日(金)

激戦 新潟知事選告示 争点くっきり

原発ゼロめざす池田候補か

再稼働推進の官邸直結候補か

 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を最大争点とする新潟県知事選が、24日告示(6月10日投開票)され、市民と野党の共闘候補の池田ちかこ氏(57)と、再稼働推進の自民・公明が支える花角英世氏(60)による大激戦となっています。原発ゼロをめざす池田氏か、原発再稼働を進める安倍官邸・自公に推される花角氏か―。この対決構図が、両候補の第一声からも鮮明となりました。


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(写真)県知事選告示第一声で握手して支持を訴える池田ちかこ知事候補=24日、JR新潟駅前

市民と野党で安倍政権に審判を

 池田候補の側は、前回知事選から共同の輪を大きく広げ、今回、幅広い市民と共産、立憲民主、国民民主、自由、社民、無所属の会、民進、新社会、緑の各党会派が支援しています。

三つの検証進める

 池田候補は多くの市民や野党の代表がかけつけるなか新潟駅前で第一声をあげ、原発について、米山隆一前県政の「三つの検証(福島事故原因・事故の健康と生活への影響・避難方法)」を厳格に進めることは基本中の基本とし、「検証結果を県民としっかり共有し、丁寧に議論した上で決定していくことが大事です」と述べました。

 安倍政権が原発再稼働推進の「エネルギー基本計画」案をまとめ、原子力規制委員会が新規制基準に「適合」と判断した東電柏崎刈羽原発の再稼働を狙っていますが、池田氏は「ちゃんと国にものが言える知事が必要」との姿勢を明確にしました。

 池田候補は、23日に講演で魚沼市を訪れた「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」顧問の小泉純一郎元首相と面会し、激励されたと紹介。「原発がゼロになっても地域経済が回る社会を検討していかなければならない」とし、知事になれば即座に始めると強調しました。地産地消型再生可能エネルギーの重要性を確信したといいます。

 一方、花角氏は原発問題に関し、新発田市での第一声で、「検証結果をみなさんがどう受け止めるか。信を問うことだってある」と述べましたが、同候補を担ぐ自民党は「原発は選挙の争点には必ずしもならない」(二階俊博幹事長、21日の記者会見)などと争点隠しの狙いを吐露。県民の声に聞く耳をもつかのように装いますが、実際、これまでの選挙で原発問題をまともに語らず、国民多数の反対を押し切って再稼働を強行してきたのが安倍自民党です。

県民寄り添う政策

 原発以外の県政課題でも違いが際立っています。

 池田氏は「柏崎市職員として22年、市議、県議として15年、ずっと地方の場で住民によりそって仕事をしてきた。そのすべてを県政に生かしていきたい」と力説。前県政が進めた全国屈指の「給付型奨学金」の拡充、米どころ新潟を環太平洋連携協定(TPP)から守ることを掲げ、国に対して「戸別所得補償制度」の復活などを要求。さらに、女性や性的マイノリティーなどへの嫌がらせの防止、性差別にもとづく暴力の根絶や、中央省庁の隠ぺい・改ざん問題を踏まえた情報公開の徹底など、「五つの政策」の実現を訴えてきました。

“自民隠し”に躍起

 「県民党」をうたう花角氏は、新潟県を「船」にたとえ、「元気で活力ある『県民丸』」とし、起業・創業支援などを宣伝。自民党の二階幹事長が旧運輸相時に秘書官を務め、県副知事や海上保安庁次長などの経歴を“売り”にし、「霞が関にも、永田町にもネットワークがある」と安倍政権・与党との蜜月ぶりを示しています。

 安倍政権の森友・加計疑惑が、新文書の発覚や虚偽答弁などで深刻になるもと、知事選は新潟から安倍政権に審判を下す場ともなります。国政の影響を懸念する自民党は“自民隠し”に躍起です。

 「県知事を選ぶのに、国政に影響されてはいけない」「自民党嫌いだという人もいるかもしれない。花角さんは自民党ではない。『県民党』だ」。作業服姿の人たちが続々と集まった花角氏の新発田市の第一声では、自民党の斎藤洋明衆院議員がこう声を張り上げました。続けて同党県議もあいさつしたものの、司会者は斎藤氏や県議らが自民党所属であることを一切紹介しませんでした。

 また、「自主投票」と報じられていた公明党からは市議が駆け付け、「公明党も全力で花角候補を応援することを決定した」と言明。争点も党名も隠していますが、自民党関係者によると、県内に党本部職員が常駐しているといいます。25日には竹下亘・同党総務会長が現地入りして、企業・団体の締め付けを強化しようとしています。

 市民と野党は池田候補の必勝に向け、27日に6野党・会派国対委員長街頭宣伝(新潟、長岡両市)、6月2日には野党党首街頭宣伝を予定しています。


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