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日本共産党

2018年5月23日(水)

新潟県知事選 あす告示

原発ゼロへ 池田氏全力

自公候補と一騎打ち

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(写真)集会参加者と握手を交わす池田知事予定候補=21日、新潟県長岡市

 新潟県知事選が24日告示(6月10日投開票)されます。最大の争点は、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題です。選挙戦の構図は、幅広い市民と共産、立憲民主、国民民主、自由、社民、無所属の会、民進、新社会、緑の各党会派が支援する池田ちかこ氏(57)=県議(柏崎市刈羽郡区)=と、自民・公明が支援する花角(はなずみ)英世氏(60)との事実上の一騎打ちです。

(新潟知事選取材班)

 前回2016年の知事選で当選した米山隆一氏は、政党では共産、自由、社民の推薦でした。今回は、前回「自主投票」の民進や、前回相手候補を支援した連合も参加し、すべての野党と市民の共闘となっています。選挙を経験するたびに新潟県の「市民と野党の共闘」が深化・発展しているのが特徴です。

 選挙戦は、原発ゼロをめざす池田氏か、原発再稼働を進める安倍官邸・自民党・東京電力に推される花角氏か、の対決です。

 原子力規制委員会が昨年12月に柏崎刈羽6、7号機は新規制基準に「適合」したとの判断を下し、政府は今月16日、「エネルギー基本計画」案をまとめ、原発推進路線に固執する方針を打ち出しています。

 地元紙が前回知事選で報じた出口調査では、柏崎刈羽再稼働に「反対」64%、「賛成」20%。NHKの出口調査でも再稼働反対が73%を占め、政府の思惑とは違い、県民の願いは明確です。

 前知事が進めた原発事故の「三つの検証」を確実に進めること、それなしに「再稼働」は認めない、「できるだけ早急に原発ゼロへと向かうよう、新潟としての責任を果たしたい」。池田氏は16日の知事選政策発表の席で、記者団を前に力強く表明しました。

安倍政権に審判を 市民と野党熱く共闘

庶民の代表・池田氏か 首相官邸直結の官僚か

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(写真)団結がんばろうを三唱する池田予定候補(中央)と、黒岩(その左)、森(同右)の各氏ら=19日、新潟県新発田市

 市民と野党の共闘で擁立する池田氏は、原発立地自治体の柏崎市出身。原発について物が言えない市民の切ない思いを受け止めることや、原発推進を願う人たちも大切な隣人であることを強調しながら、米山県政が行ってきた原発の「三つの検証」(福島事故原因・事故の健康と生活への影響・避難方法)をしっかりやることや、「原発停止後の新潟の産業・社会政策を構想するための新たな検討委員会を創設したい」と訴えます。

 池田氏は「三つの検証を成し遂げ、その結論が示されない限り、原発再稼働の議論は始めません」と表明しています。

争点隠しに躍起

 自公が支援する花角陣営は原発について争点隠しに躍起ですが、原発推進の安倍政権と「再稼働促進」を掲げる自民党県連に推されている中央官僚出身の候補であり、「原発ゼロ」や再稼働への態度は語れません。「経産省幹部は『野党候補が勝つのとは全然違う』と期待を寄せる」(「朝日」22日付)と報じられます。

 池田氏の新潟事務所開設式で選対本部長の菊田真紀子衆院議員は「巨大な自民党とのたたかい」だとし、仮に花角氏が知事になれば官邸の圧力を受けるのが目に見えていると述べました。無所属の会の黒岩宇洋衆院議員は「自民党新潟支店長にしてはいけない」と、集まった支持者を鼓舞しました。

共同の力を広げ

 花角氏は国交省出身の中央官僚であり、海上保安庁次長と元新潟県副知事の経歴を宣伝しています。二階俊博自民党幹事長が旧運輸相時の秘書官も経験した官邸直結の人物です。

 花角陣営は、「県民党」「オール新潟」を掲げ、政党色を薄める“戦略”です。ところが二階幹事長は15日の会見で、花角氏のことを、秘書官の中でも抜群の人物だったと評し「私も目立たないようにしてできるだけ応援したい」と公言しています。21日の自民党県連の会合には、党本部の塩谷立選対委員長が出席し、党本部も最大限の支援をしていく考えを表明(「新潟日報」22日付)しています。

 一方、市民と野党共闘の池田氏は、柏崎市で市職員として22年、市議、県議として15年、常に住民に寄り添い、「暮らしが少しでも豊かに幸せになること」を信条に、一貫して地域・住民密着で活動してきた「庶民の代表」です。対決は「中央官僚か」、「県民に寄り添う庶民代表か」のたたかいです。

 原発以外の政策でも、前県政が進めた全国屈指の「給付型奨学金」のさらなる拡充、米どころ新潟をTPPから守ることや「戸別所得補償制度」の復活を国に求める、中央省庁の隠ぺい・改ざん問題を踏まえ情報公開の徹底など、「五つの政策」実現を訴えています。

再稼働止めたい

 池田氏支援のために、幅広い立場の市民が「市民の思いをつなぐ会」を結成。その席で池田氏擁立の政治団体「輝くにいがた」代表の横山由美子さんは、再稼働ストップの思いを託したい、とあいさつしました。

 新潟県の進路とともに、安倍政権による国政私物化と強権政治、堕落した政治に「ノー」の審判を下すチャンスです。県内各地で共闘の態勢がつくられ、熱気いっぱいに共同の行動が広がっています。

 27日の6野党・会派国対委員長街頭宣伝、6月2日には野党党首街頭宣伝が予定されています。共同の力を広げに広げて勝利を目指しています。

 池田氏の略歴 1961年新潟県柏崎市生まれ。柏崎市役所初の歯科衛生士。同市議3期務めるかたわらケアマネジャーの資格取得、早稲田大学人間科学部人間環境科学科(通信制)入学、同大卒業。県議1期。

共闘で勝利目指す

2県議補選も同時投票

 県知事選挙と同日投開票で県議補欠選挙(6月1日告示)が行われます。上越市区では、ひららぎ哲也氏(日本共産党市議・無所属で出馬)、南魚沼市・南魚沼郡区では、ひくち秀敏氏(無所属)の勝利を目指し、野党が共闘してたたかいます。


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