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2018年5月16日(水)

主張

米大使館移転強行

中東和平への道を崩す暴挙

 米トランプ政権は14日、イスラエルの米大使館のテルアビブからエルサレムへの移転を強行しました。新大使館の開所式典へのビデオ演説でトランプ大統領は、「首都承認に続いて、歴史的、神聖な土地に大使館を置く」と表明しました。一方、式典に招待を受けた西欧諸国は軒並み欠席しました。イスラエルが占領した東エルサレムを含むエルサレム全体をイスラエルの首都と認定するのは、武力による領土取得を是認するものとの批判的立場の表明です。パレスチナ自治区で大使館移転への激しい抗議行動が起きたのは当然です。

国連決議違反は明白

 エルサレムでの大使館開所式にあたり発表された米国務省の声明は、「持続的な中東和平促進への関与に変化はない」と述べました。しかし、エルサレムの首都認定と大使館移転は、「東エルサレムを将来の首都」と主張するパレスチナの立場を完全に否定するものです。エルサレムの地位を、「イスラエルとパレスチナ双方の和平交渉で決める」としてきた従来の米国の中東政策から逸脱しています。

 イスラエルは1967年の第3次中東戦争で東エルサレムを占領しました。80年には、同地を含む統一エルサレムを永遠の首都とする「エルサレム基本法」を可決しました。これに対し国連安保理決議は、「『基本法』の制定は国際法違反」「無効であり、直ちに撤回されなければならない」と指摘しました。

 米国では95年に成立した法律で、エルサレムへの大使館移設が定められています。それでも国内外の強い反発を意識し、クリントン、ブッシュ、オバマの各大統領は大統領令によって、移転を延期してきました。

 では、なぜいま大使館の移転なのか。米国の保守勢力のなかには、「エルサレムはユダヤ教の聖地」と一方的に主張するキリスト教福音派の巨大な勢力があります。これらはトランプ氏の有力支持基盤です。11月に連邦上院議員の3分の1と、下院議員全員を改選する中間選挙を控えるなか、トランプ氏がこれら保守層の支持確保を意識して、選挙公約でもある「大使館の移転」を強行したとみられています。

 米国の歴代政権の立場まで覆した大使館移転は、道理がないと同時に将来の中東和平を危うくするものです。

 14日は、48年のイスラエル建国から70年の日です。米国の大使館移転はこの象徴的な日に合わせたものでした。パレスチナ側では翌15日を、イスラエル建国により約70万人が故郷を追われた「ナクバ(大災厄)の日」としています。トランプ政権のイスラエル側に偏った対応は、国連や関係諸国などが積み上げてきた和平への努力を掘り崩す暴挙です。

パレスチナ人抑圧やめよ

 大使館移転へのパレスチナの抗議行動にイスラエル側が無差別発砲し、子どもを含む多くの犠牲者が出ています。

 イスラエルは、弾圧をすぐにやめることはもちろん、パレスチナ側への「入植」の中止を含め、占領地から撤退すべきです。

 パレスチナ独立国家を含む民族自決権の実現、両者の生存権の相互承認を基本とし、中東問題の公正な解決に向けた新たな国際的努力が必要な時です。


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