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日本共産党

2018年3月22日(木)

きょうの潮流

 良き指導者とのめぐり合いは人生を大きく左右します。学校や職場、そしてスポーツの世界でも▼女子テニスの大坂なおみ選手(20)が、四大大会に次ぐ格付けの大会でツアー初優勝を果たしました。世界1位の選手をはじめ強豪を次々に破って。安定したプレーぶりや精神面の成長の裏には、あるコーチの存在がありました▼今季から指導するドイツ人のサーシャ・バイン氏です。若くしてコーチに転身し、大坂選手があこがれるセリーナ・ウィリアムズらトップ選手を指導してきました。いまやテニス界で最も評価が高いコーチといわれています▼試合中のアドバイスも優しく励ましたり、自信をもたせたり。「君ならきっとやれる」と、大坂選手を笑顔にさせていました。ふだんの練習からつねに対話で意思疎通をはかり、相手を尊重する姿勢が信頼関係をつくっているのでしょう▼一方で指導者のパワハラやセクハラ、暴力は後を絶ちません。日本ではトップスポーツでも学校の部活動でも日常的に起きています。スポーツ庁は今月、運動部活動のあり方に関する指針をまとめました。そのなかで生徒の心身の健康管理や事故防止、体罰・ハラスメントの根絶を徹底する指導を改めて呼びかけています▼卓球の日本女子代表監督を務めた西村卓二さんは、それぞれの選手の性格や人間性を理解して指導することに努めたといいます。力で従わせるのではなく相手の人格を認めて、ともに人間として成長していく。良き指導者に共通する姿です。


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