しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年3月17日(土)

きょうの潮流

 何の気なしに見ていたパラリンピック中継に、思わずくぎ付けになりました。アルペンスキー・スーパー複合の回転、視覚障害のクラス。2人が相次いでポールをかわし滑走していました▼先行するガイドの後を視覚障害の選手がぴたりとつく。その距離は3、4メートルでしょうか。右に左に連続するターンの中でもそれは変わらず、見事な一体感にも魅了されました▼競技中、スキー場は無音状態になるそうです。スピーカーの音楽は止まり、観客の応援さえも許されません。選手にとっては、ガイドのかけ声と雪面を削るスキーの音が頼りだからです。そのわずかな手がかりが、選手を支え、2人をつないでいる。神業といってもいい▼選手たちが超人ぶりを見せてくれている平昌大会は、明日で閉幕となります。競技に挑む選手たちには、挫折があり、困難があり、それを乗り越えてきた強さがあります。競技に勝ち負けはあっても、それぞれの選手の胸には、自分色のメダルが輝いているように思えてなりません▼「初めて車いすに乗ったとき、私にとって一つの扉が閉じた。でも、それ以上に多くの扉が開いたんだ」。あるパラリンピアンの言葉です。障害を負ったことに腐らず、自らを奮い立たせ、新たな自分をみつけ、世界を広げていく。人間ってすごいなと改めて▼2年後には、東京が夏の大会の舞台となります。障害がある人たちと、共に生きる社会をどうつくっていくか。大会を迎えるわたしたち一人ひとりに問われています。


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