しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年3月16日(金)

きょうの潮流

 「15の春は泣かせない」。故蜷川(にながわ)虎三京都府知事は高校3原則(小学区制・総合制・男女共学)を堅持し高校全入をめざしました▼無担保無保証人融資や京都食管など「府独自でも府民のためにできることがある」と蜷川府政時代を振り返るのは、22日告示の京都知事選(4月8日投票)に立候補を表明した「つなぐ京都」の福山和人弁護士です▼一方、「失敗することからどうやって立ち直っていくかってことを教えることも大切だ」などと、公立高校入試で大量に振るい落とす入試制度を正当化したのは、山田啓二・現知事です▼まるで「15の春」は泣かせてもいいかのような言動は競争社会、弱肉強食社会を誘導する府政を象徴していました。その結果、ワーキングプア(働く貧困)率も非正規雇用率も全国最悪水準へと貧困と格差を拡大させました▼1978年、民主府政から自民党主導の林田悠紀夫府政に代わった時、取材していた筆者は知事答弁の異変に驚きました。「国の基準に従いまして」という答弁の繰り返し。「京都のことは京都で決める」という自治の精神は消えていました▼それから40年。林田、荒巻、山田府政を継承し中央とのパイプがあると自民党主導で担ぎだしたのが元国土交通審議官、前復興庁事務次官の西脇隆俊氏です。自民党の重鎮は決起集会で叫びました。「ようやく(蜷川府政の)傷がいえた」「共産党府政の再来を絶対許してはならない」。恐れているのは時の政権の意のままにならない自治体の誕生です。


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