2018年3月14日(水)

財務省　森友公文書改ざん事件　民主主義破壊の危機

全国各地で怒り渦巻く

（写真）安倍内閣の総辞職を求めて抗議する人たち＝１３日、衆院第２議員会館前

　学校法人「森友学園」との国有地取引をめぐって明らかになった安倍政権による公文書改ざん事件。国会周辺では、連日・連夜の抗議行動がよびかけられ、これに呼応する行動が各地で計画されています。１３日には全国５２０カ所で重税に反対する統一行動がおこなわれ、確定申告をする業者らから「安倍首相が責任をとって辞めるほどの話だろう」の声が相次ぎました。

（写真）森友疑惑徹底究明しろと訴える中小業者らと畠山和也氏（左端）＝１３日、札幌市

連日の「総がかり行動」

　「総がかり行動実行委員会」は、４日連続で国会議員会館前などで抗議行動を計画し、初日の１３日は、昼と夜の２回、抗議行動を展開し、のべ２０００人が参加しました。

　子どもを連れた東京都立川市の女性（３９）が語ります。「公文書改ざんは犯罪。議会制民主主義がここまで破壊されたことに怒りを感じて参加しました。国民はすぐに忘れると安倍首相は思っているでしょうが、そうはいきません。安倍政権退陣まで行動を続けます」

　同実行委員会は週明けの１９日にも抗議行動を計画しています。

全国５２０カ所「重税反対」

　重税反対全国統一行動は、重い税負担と過酷な徴税に反対し、主権者として納めるべき税額は自分で計算して申告するとりくみです。１９７０年から始まり、今年で４９回です。

　東京都立川市でおこなわれた集団申告には、８５０人の中小業者や建設労働者らが参加しました。鶴田優実行委員長が「自衛隊の日報隠ぺい、裁量労働のデータ改ざんに続く国民への重大な裏切りだ」と指摘。武蔵村山市の塗装業の男性（４８）は、「麻生太郎財務相は“佐川（前国税庁長官）が責任者”というが、彼を動かした人がいるはずだ。公文書には首相夫人、安倍昭恵氏とのつながりが書かれていた。安倍首相には辞めてもらうしかないでしょう」と怒りを込めて語りました。

「全国怒ってます」投稿

　「全国で怒っていますけど何か」。この言葉を掲げて各地の税務署前でスタンディングする写真がたくさんツイッターに投稿されています。麻生財務相が会見で「４７６ある税務署のうち１４カ所だけでしか抗議がない」と発言したことに抗議する行動。都内に住む４０代の女性がよびかけました。「政府はウソをいい改ざんをするけれど、私たちは確定申告でそんなことはできません。麻生さんに国民が怒っていないかのようにいわれるのは悔しいじゃない」と話しています。

市民がネット呼びかけ

　市民が自主的に立ち上がっています。「安倍内閣総辞職」を求めて有志がインターネットで呼びかけた７日夜の緊急国会前抗議には２０００人が、１２日夜の緊急官邸前抗議には５０００人が参加。国会周辺の抗議行動は１３日夜もおこなわれ、１４日夜にも計画されています。参加者のひとり、埼玉県蕨市の男性は自営業。「商売の資料は１０年は保管する。それをないといったり改ざんしたり、政府のやっていることは考えられませんよ。安倍政権が続くと日本の社会的モラルが低下する。退陣は当然でしょう」

　市民有志の呼びかけによる抗議行動は札幌市、千葉県船橋市、名古屋市、大阪市、福岡市などに広がっています。