2018年3月7日(水)
森友疑惑「調書」 差し替え痕跡
“二つの文書が存在”
辰巳議員が指摘
学校法人「森友学園」との国有地取引疑惑に関連して、一部記述の削除などの改ざんが疑われる財務省近畿財務局作成の「調書」に、原本との差し替えをうかがわせる“痕跡”があることが、野党が5日、同局で新たに入手した「調書」の写しでわかりました。
「調書」は、問題の大阪府豊中市内の国有地を売却するための決裁文書「普通財産売払決議書」に添付されているもの。新たに入手した「調書」には、点検のために鉛筆で付けたとみられる線状の印(しるし=写真上)が鮮明なものだけで18カ所確認できますが、日本共産党など各党議員が財務省から入手した同じ決裁文書の写し(写真下)には、金額などに丸い筆先で付けた小さな丸印が付けられている一方、添付されている「調書」には、点検の印などの痕跡は一切みられません。しかし、二つの「調書」の内容は、いずれも書き換え後のものと指摘されている同一の文書でした。
財務省などの官庁には、文書を点検するさいに、小さな印をつける習慣があります。今回、新たに入手した「調書」と決裁文書の異なる印は、点検を別の人物が行った形跡を示すものです。
近畿財務局の「調書」の控えに印がついていたのは、原本を改ざんして文書をプリンターで印刷し、点検の印を付けたものを保存用としたもので、同じ「調書」をさらに一部印刷して決裁文書に添付した可能性をうかがわせます。
日本共産党の辰巳孝太郎参院議員は6日の野党合同ヒアリングの席上、異なる印や印の有無の違いがあることについて「原本とわれわれ国会議員が受け取った文書が違うものだということだ。改ざん前か後のものかはわからないが、二つの文書が存在することが明らかになった」と追及。財務省側は「あらためて確認する必要がある」と認めました。
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