しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年3月4日(日)

汚職追及の記者殺害に抗議

スロバキア数万人デモ

政権崩壊の可能性も

 中欧スロバキアで汚職の調査報道をしていた記者が殺害された事件をめぐって2日、公正な捜査と言論の自由の擁護を求めるデモ行進があり、全国各地で数万人が参加しました。人口550万人の同国では大規模なデモで、追及を求める世論の強さを示しました。(片岡正明)


地図:スロバキア

 事件は2月25日、ジャーナリストのヤン・クチャクさん(27)と婚約者が首都ブラチスラバから65キロ離れた自宅で銃撃され、遺体で発見されました。

 クチャクさんは、月に200万人が見るニュースサイト「アクテゥアリティSK」で、調査報道を担当。最近はイタリアのマフィアとスロバキア政府幹部が癒着し、欧州連合(EU)の遅れた地域への援助基金を横領していた疑惑などを調べていました。

 英BBCなどによると、2万5000人が参加したブラチスラバのデモは「ジャーナリストへの攻撃はみんなへの攻撃だ」「マフィアは国から出ていけ」などのプラカードや2人の写真、追悼のろうそくを持って行進しました。

 事件は欧州議会でも取り上げられました。昨年10月にマルタでジャーナリストのダフネ・カルアナガリチアさんが殺害された事件で調査委員を務めるギーゴルト議員(独緑の党)はドイツ・メディアに、今回の事件の構図が「マルタの事件とまったく同じだ」と指摘。「EU内でこのようなジャーナリストの殺害は許されない」と語りました。

 スロバキアでは、汚職がたびたび問題となり、昨年はカリニャーク内相と土木開発企業の癒着が大きな問題となりました。フィツォ首相は汚職追及報道をするジャーナリストを汚い言葉でたびたび非難しました。

 今回の事件を受けて、フィツォ政権の3与党の一つ「架け橋」は、内相の更迭と事件の究明を要求。事態によっては与党を離脱すると表明しています。同党が離脱すれば連立与党は過半数を失うことになり、首相交代や政権が崩壊する可能性もあります。


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