しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年2月27日(火)

米国銃規制運動、広がる支援

大学、高校生デモ“OK”

ライフル協会との関係 見直す企業も

 【ワシントン=池田晋】米フロリダ州パークランドの高校で17人が死亡した銃乱射事件を受け、命をとりとめた高校生を中心とする若者の銃規制強化を求める運動が全米に拡大する中、予想外の支援の輪が社会全体に広がっています。授業を欠席してデモ行進した生徒に停学処分を科そうとする学校が出る一方、大学当局からはこうした処分は入学に悪影響を与えないとして運動を後押しする動きが出ています。


 事件のあった高校の生徒らがフロリダの州都でデモを行った21日には、全米各地で連帯デモが発生。首都ワシントン近郊でも、教室を飛び出してホワイトハウス前などに押し寄せる生徒や、学校も容認のもと、校内で公然とデモを実施する高校まで出ました。

 こうした動きを受けコネティカット大学は23日、ツイッター上に「平和的デモへの参加による懲戒処分は、入学決定に何ら影響しません」と志願者や合格者に向けて発信。ボストン大学も「あなたの学校が平和的デモへの参加で罰を科しても、入学が台無しになることはありません」と投稿しています。

 高校生らがソーシャルメディア上で、政界に強い影響力を持つ全米ライフル協会(NRA)への支援をやめるよう呼びかけていることで、NRAや銃器製造業者との関係を見直す民間企業の動きも広がっています。

 24日には、全米第2位の資産規模を持つ大手銀行バンク・オブ・アメリカが銃器製造業者との関係を見直す旨の声明を発表しました。米大手航空会社のデルタ、ユナイテッド、レンタカー会社のエイビス、バジット、エンタープライズなどによる、NRA会員に対する優待サービスのとりやめ措置に続くものです。

 政界も動き始めています。共和党主導の州議会と知事の下で、長年銃規制に後ろ向きだったフロリダ州のスコット知事は23日、銃購入の最低年齢を18歳から21歳へ引き上げることなどを柱とする改革案を発表。立ち上がった高校生らが目標に掲げる戦闘用銃(アサルト・ライフル)の完全禁止にはまだ遠いものの、最初の一歩だとの見方が出ています。

 メディアの取材に積極的に応じる高校生を雇用された「俳優」と攻撃するなど、精神的ダメージが癒えない生徒らに対し、インターネット上では心ない中傷も飛び交います。しかし新たな運動は、長年停滞してきた銃規制強化の風向きを瞬く間に変えつつあります。


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