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2018年2月14日(水)

沖縄米海兵隊 過去最大 配属歩兵3個大隊

政権「負担軽減」どこへ

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(写真)日米共同演習で演習場内に投入され、展開する米海兵隊員=2017年3月10日、群馬・相馬原演習場

 沖縄県名護市の米海兵隊キャンプ・シュワブに司令部を置く第4海兵連隊に、米本土やハワイから増強されている歩兵大隊が過去最大の3個大隊になっていることが米海兵隊のニュースなどでわかりました。安倍内閣の強調する「沖縄の負担軽減」とは正反対に、米軍がアジア重視戦略のもとで朝鮮半島やインド・アジア太平洋地域での有事に即応するための海兵隊の増強・強化が進んでいます。

 今年1月の時点で第4海兵連隊に配属されているのは第8海兵連隊第1大隊(ノースカロライナ州、昨年8月から)、第1海兵連隊第2大隊(カリフォルニア州、昨年10月から)、第3海兵連隊第3大隊(ハワイ州、昨年12月から)の3個大隊です。米海兵隊の歩兵大隊は定数960人で、これだけで3000人規模の増強です。

全土に訓練拡大

 昨年10月から配属の第1海兵連隊第2大隊は、12月末から東富士演習場(静岡県)での訓練を開始。合わせるように今月15~22日には東富士、北富士(山梨県)両演習場でMV22オスプレイの離着陸訓練も予定されています。

 第4海兵連隊に配属された歩兵大隊は、沖縄県内のキャンプ・ハンセンやジャングル戦闘訓練施設、東富士演習場や隣接する米海兵隊キャンプ富士、北富士演習場(山梨県)などでの訓練を実施。昨年3月、相馬原(群馬県)、関山(新潟県)両演習場や12月に大矢野原演習場(熊本県)で実施した「フォレスト・ライト」など日米共同演習にも参加しています。

 昨年8月に北海道で行われた「ノーザン・ヴァイパー」には、歩兵大隊だけでなく砲兵大隊や、オスプレイやCH53E、AH1Z、UH1Yヘリも参加。沖縄への海兵隊の増強、日本全土への訓練拡大と事故の頻発は軌を一にしています。

韓国や豪州にも

 第4海兵連隊に6カ月交代の部隊展開計画(UDP)として米本土やハワイからの歩兵大隊の配属を始めたのは、2012年6月。11年12月の、米国のイラク撤退完了宣言とアジア重視への転換、朝鮮半島有事の即応部隊として沖縄に第3海兵遠征旅団司令部の発足を受けた形です。第4海兵連隊司令部は、第3海兵遠征旅団で歩兵や砲兵などを指揮する地上部隊司令部です。

 当初、1~2個の配属が昨年2月、第4海兵連隊が開設した「フェイスブック」上で、連隊の定数いっぱいの3個大隊が配属されたことが明らかになりました。これらの大隊は、オーストラリアや韓国にも展開。西海岸、東海岸、ハワイからそれぞれ前方展開大隊を1個ずつ常時派遣する体制がつくられました。

 米海兵隊の歩兵大隊の大幅な増強は、沖縄にいっそうの基地負担を押し付け、米軍が日本全土をアジア各地への出撃・訓練拠点として強化していることを改めて示しています。

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