しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年2月14日(水)

きょうの潮流

 「おい、地獄さ行(え)ぐんだで」。『蟹工船』ブームから今年で10年です。作者・小林多喜二の人気はいまだ衰えず―12日の東京の杉並・中野・渋谷多喜二祭で実感しました▼例年300人規模のところ、第30回の節目の今年は、1000人を超す大ホールを会場に。実行委員会としても冒険でしたが、当日は1200人参加の大成功でした▼高木典男事務局長は「一抹の不安はありましたが、沖縄や大雪の富山・福井などからも含め、予想以上の参加がありました。いまの改憲や野党共闘の問題が、多喜二への関心につながっていると思います」と語ります▼講演者も全員が多喜二の時代と今が近づいたと語りました。例えば精神科医の香山リカさん。「2008年の『蟹工船』ブームでは、多喜二の描いた貧困と搾取に現代が近づいたと思った」が、共謀罪が通った今は「(特高警察に殺された)多喜二の生涯が身近な現実味をおびてきた」▼日本共産党の小池晃書記局長は、多喜二が死の4カ月前の評論で、「下からの統一戦線」を呼び掛けたことを紹介。近年の「市民と野党の共闘」の発展について「多喜二が生きていたらこの成果を大いに喜ぶでしょう」と強調しました▼今年は多喜二没後85年です。20日の命日をまえに、17日には秋田、18日には北海道・小樽、秋田・大館、神奈川・伊勢原、大阪で記念の集いが開かれます。「我等何を如何(いか)になすべきか」をまっすぐに追いかけて生きた多喜二。いまも私たちにたたかう勇気を与えてくれます。


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