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2018年2月2日(金)

論戦ハイライト 参院予算委

首相渋々“昭恵氏に聞く”

森友疑惑 辰巳議員の追及

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(写真)安倍晋三首相らに質問する辰巳孝太郎議員(右手前から2人目)=1日、参院予算委

 国有地が学校法人「森友学園」(大阪市)に“タダ同然”で売却された問題。1日の参院予算委員会で日本共産党の辰巳孝太郎議員は、新たに入手した音声データに同学園小学校名誉校長だった安倍晋三首相夫人の昭恵氏の関与をうかがわせるやりとりがあることを示して追及し、同氏の証人喚問が不可欠だと迫りました。

「丁寧な説明」崩壊

 辰巳氏は、財務省近畿財務局の内部記録が1月末に開示されたことについて、佐川宣寿同省理財局長(現国税庁長官)が交渉記録を「全て廃棄した」と説明してきたことは「完全に虚偽答弁だ」と批判。この記録を、同省が会計検査院に検査報告(昨年11月22日)の前日になるまで出していなかったことも、「会計検査の妨害であり、疑惑の隠ぺいだ」と指摘しました。

 「総理!」と繰り返し首相に答弁を求めた辰巳氏。首相はなかなか答弁に立ちません。

 辰巳 これでは総理のいう「丁寧な説明」の前提が崩れるのではないか。

 太田充理財局長 検査の過程では(記録の存在に)気づかなかった。

 麻生太郎財務相 太田の方から説明した通りの経緯だ。

 首相 ただいま財務大臣が答弁した通りだ。

 議場からは「どこが『丁寧な説明』か」との声もあがりました。

 辰巳氏は、ウソを繰り返した佐川国税庁長官の更迭を求めましたが、首相らは拒否。辰巳氏は「隠ぺいを容認する政権だ」と述べ、佐川氏の証人喚問を求めました。

「応援の気持ちで」

 辰巳氏は、学園理事長だった籠池泰典被告=詐欺罪で起訴=が、国有地の地中から“新たなゴミが見つかった”として対応を求め財務省本省へ直談判した際の音声データの記録(2016年3月15日)を読み上げました。この中で、理財局の田村嘉啓国有財産審理室長(当時)が「われわれとしても応援の気持ちでやっている」と応じたことについてただしました。

 辰巳 このときすでに田村氏は、昭恵氏と森友学園とのかかわりを認識していたか。

 理財局長 森友学園の(小学校)名誉校長をしていることをホームページなどで承知していた。

 辰巳 名誉校長として昭恵氏が森友学園とのつながりをもっていたことを認識していたわけだ。

「頑張って」と電話

 さらに辰巳氏は、籠池被告が財務省本省への直談判の翌日3月16日に近畿財務局などとやりとりをした音声データを入手したとして追及しました。

 辰巳氏は、籠池被告が「昨日(直談判した15日)、われわれが財務省から出たとたんに、安倍夫人から電話がありましてね。『どうなりました? 頑張ってください』って」と発言していることを紹介。「昭恵氏自身が籠池氏に電話して、直談判の中身をたずね、『頑張ってください』と応援の気持ちを伝えていたということではないか」とただしました。

 辰巳 昭恵氏は3月15日の籠池氏の直談判の直後に、籠池氏に電話したのか。

 首相 事前通告してください。

 辰巳 昭恵氏に聞いてもらえるかどうかというシンプルな質問だ。

 首相 何年も前の話であり、本人に聞いても覚えているかどうか分からない。次の質問の機会に事前通告していただければ当然、聞く。

 「昭恵氏に聞いて」と繰り返し求めた辰巳氏に、安倍首相はしぶしぶ「聞く」と口にしました。辰巳氏は「昭恵氏が土地売買に積極的に関与し、国有地のタダ同然の売り払いという『満額回答』となったのではないか」と指摘。真相解明のため、昭恵氏が国会で直接語るべきだとして証人喚問を求めました。

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