2014年11月16日(日)
災害対策全国交流集会の参加者 福島被災地を視察
時間止まったまま 原発だめ
「災害対策全国交流集会2014」の参加者30人が14、15の両日、バスで東日本大震災と原発事故による放射能被害で住民の避難が続く福島県富岡町、浪江町を視察しました。再生エネルギーを活用するとりくみも見学しました。
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避難指示解除準備区域もある富岡町。JR富岡駅周辺の住宅地は、壁や玄関は壊れたままでした。地震と津波被害の復旧は手つかず。人の気配はなく、静まりかえっていました。
浪江町に入ると、あちこちの道路が封鎖されていました。震災がれきの分別作業場では、ダンプカーが行き交っていました。参加者は、海岸近くの献花場で手をあわせていました。
兵庫県から参加した女性(55)は、「時間が止まって死んだような町の状況をみて驚きました。放射能汚染で戻れない住民のことを考えると悲しくなる光景です」と語りました。
東京都から参加した男性(73)は、「震災直後に訪れた時に見た衝撃を忘れかけていましたが、当時を思い起こしました。原発はだめだとつくづく感じました」と話しました。
次に視察したのは、再生エネルギーとして地熱温泉熱を活用する土湯温泉(福島市)です。大震災のとき震度6強の揺れに襲われ、旅館が倒壊するなどの被害を受けました。地元有志は11年10月に土湯温泉復興再生協議会を立ち上げ、地熱発電、小水力発電などを通じて資源活用と新産業をつくる取り組みをすすめています。
街づくりのために立ち上げた「元気アップつちゆ」の加藤勝一社長は、「被災してエネルギーの考え方が百八十度変わりました」と振り返りました。発電施設は来年7月に完成し、旅館を含めた土湯温泉町が消費する電力の半分をまかなえる予定です。