2014年9月18日(木)
菅官房長官 沖縄を訪問
辺野古上空から視察に怒り
住民「基地つくらせぬ」
「辺野古(へのこ)の埋め立てを粛々と進める」―。こう公言してはばからない菅義偉官房長官は17日、第2次安倍改造内閣発足後、初めて沖縄県を訪問しました。菅長官は米軍新基地建設が狙われている名護市辺野古など県内の米軍基地をヘリコプターで上空から視察。「新基地建設反対」を訴えている住民らは辺野古沿岸の砂浜や海上から「工事の強行は許さない」「美(ちゅ)ら海を守るぞ」と拳を上げて抗議しました。 (関連記事)
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辺野古の浜と米海兵隊キャンプ・シュワブゲート前のテントで、連日座り込みを続けている市民が浜辺に勢ぞろいし、浜辺に「NO BASE!(基地いらない)」と、流れ着いた海草や流木で描きアピールしました。
ヘリコプターは辺野古上空を数分間飛行して去っていきました。
ヘリ基地反対協議会の安次富(あしとみ)浩共同代表は「“視察”は一瞬だった。パフォーマンスでしかない」と安倍政権の姿勢を批判し、「新たな基地はつくらせない。翁長雄志(おながたけし)県知事を誕生させ勝利しましょう」と呼びかけました。
辺野古に住んでいる女性(20)は「日本政府は県民の声を聞かない。沖縄の基地は本当に必要なのか疑問です」と憤りました。
新基地の建設菅氏「粛々と」
仲井真知事らと会談
辺野古などの視察を終えた菅氏は、那覇市内で仲井真弘多(なかいまひろかず)知事らと会談し、米軍普天間基地(宜野湾市)に代わる辺野古・新基地建設について「安全を確保した上で粛々と進める」と表明。内閣改造で兼任することになった沖縄基地負担軽減担当相として、安倍政権の進める米海兵隊垂直離着陸機オスプレイの佐賀県をはじめとする全国での運用拡大などを挙げ、沖縄の「基地負担の軽減」アピールに終始しました。
新基地建設反対の県民総意や自身の公約に背いて新基地推進に転じた仲井真知事は、菅氏の負担軽減担当相就任を「政府の意思の表れ」と歓迎し、普天間基地の5年以内の運用停止や米軍機の騒音対策を要望。菅氏は「しっかり対応していきたい」とのべたものの、要望への具体的言及は避けました。
沖縄振興に関して菅氏は、10月30日告示(11月16日投票)の知事選で3選をめざす仲井真知事の支援を見据え、政権として地元の要望に最大限、応えていく姿勢を示しました。
会談には宜野湾市の佐喜真淳市長も同席しました。