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2014年9月18日(木)

沖縄訪問の菅官房長官

狙いは知事選地ならし

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(写真)会談で菅官房長官(手前右)に頭を深々と下げる仲井真知事(同左)=17日、那覇市内のホテル

 「沖縄基地負担軽減担当大臣として、国会が始まる前に基地の全体像を見ておきたかった」。17日、沖縄県を訪問した菅義偉官房長官はこう述べました。

 しかし、訪問の真の目的は、沖縄県知事選(10月30日告示、11月16日投票)を前に、安倍政権が名護市辺野古への新基地建設に総力をあげる姿勢を示すと同時に、県民を裏切って辺野古の埋め立てを承認した仲井真弘多知事3選への地ならしをすることにほかなりません。

県民への挑戦

 「知事の埋め立て承認に基づいて、粛々と(辺野古移設を)進める」。菅長官は同日の知事との会談後、記者団とのやりとりでこう述べました。

 菅氏はこれまで、官邸での記者会見でも、県民の8割が反対する新基地建設を「粛々」「淡々」と進めると繰り返し、反発を招いてきました。沖縄で、あらためて「粛々」と述べたことは県民への露骨な挑戦といえます。

 「安全確保」を強調したことも重大です。これは、辺野古の埋め立てに抗議する住民を、海上保安庁や警察などを動員して「安全確保」を口実に排除し続けることを、あらためて示したものだからです。

 さらに菅氏は、辺野古の新基地に「断固反対」を訴える翁長雄志・那覇市長が県知事選で埋め立て承認の「取り消し・撤回」を視野に入れていることについても、「日本は法治国家だ」と述べ、仲井真知事が承認した以上、変更はできないとの姿勢を示しました。

知事にはアメ

 県民への「ムチ」に対し、仲井真氏には「アメ」のオンパレードでした。

 「普天間基地(沖縄県宜野湾市)のKC130空中給油機を15機全機、岩国基地(山口県)に移した」、「那覇空港の第2滑走路着工を1年半前倒しした」、「国家戦略特区で、沖縄県を観光拠点にする」―。辺野古の新基地建設と引き換えの「基地負担軽減」「沖縄振興」策に、「ありがとうございます」「感謝します」と何度も頭を下げる仲井真氏の姿が印象的でした。

 同氏は週内にも発表する県知事選の政策で、菅氏との会談で確認された「基地負担軽減」「沖縄振興」策を盛り込み、「国とのパイプ」を前面に出すものとみられます。

 米軍基地と引き換えの“振興策”―。日本政府が沖縄県を実質的に支配し、犠牲を強いてきた古い手法に、喜々として従う仲井真氏と、それを支える安倍政権に、沖縄県の未来を託すことはできません。

 (竹下岳)


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