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2014年9月6日(土)

学テ 校長名公表

知事独断の政治的介入

静岡

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 静岡県の川勝平太知事は4日、全国学力テストで小6国語Aが全国平均以上の公立小学校262校の校長名と県内35市町別の科目別平均正答率を公表しました。県教育委員会の同意もなく独断で公表したもので、許されない政治的介入です。

 学力テストは今年度から、市町村教委の判断で学校別成績の公表が認められ、都道府県教委も市町村教委の同意があれば公表できることになりました。公表する場合でも結果分析や改善策を出すよう求めており、一覧表や順位付けも禁止。しかし、県知事ら首長に公表権限はありません。

 下村博文文科相も「違法、脱法行為だ」とのべ、違反すればテスト結果を提供しないなどの措置を検討する考えを示しました。

 学力テストは都道府県をランク付けするものですが、「序列化や競争激化につながる」として各県の結果公表は禁止でした。ところが安倍政権は、教委の判断で公表を認め、競争主義に拍車をかけてきました。川勝知事の暴走はこうしたもとで起こされたものです。

 来年4月からは教委制度が改悪され、首長が教育「大綱」を策定し、首長主宰の「総合教育会議」で方針をつくることになります。教育長も首長が直接任命できるようになり、首長による支配・介入が強まります。

 川勝知事はすでに「大綱」に学力テストの公表を明記する考えを表明しています。教委改悪で全国に同じ動きが広がる危険があり、教委改悪の危険性を改めて示しています。

知事の「暴走」に抗議

静岡・高教組など3団体

写真

(写真)学力テスト公表問題について知事あての抗議文を提出する3団体=5日、静岡県庁

 静岡県の川勝平太知事が今年も全国学力テスト(小学6年国語A)の成績が全国平均点以上だった学校の校長名を公表した問題で、県内の高教組、全教静岡、子どもと教育を考える県民会議は5日、知事への抗議文を提出しました。

 川勝知事は4日、昨年度に続き、小学6年生の国語Aの成績が全国平均点以上だった県内262校の校長名を県のホームページに掲載しました。あわせて県内35市町の科目別平均正答率を公表しました。いずれも市町教委の同意を得ておらず、文部科学省の実施要領に違反しています。

 抗議文では、「昨年からの厳しい批判を一切無視した『暴挙・暴走』だ」と批判。「本来の豊かな学力保障のためには教育条件の改善こそが最短の道。全国最下位レベルの教育予算を大幅に増額し、教育環境の整備に力を尽くすべきだ」と訴えています。

 応対した秘書課の高松央総務班長は「知事に伝える」と語りました。

 記者会見で、全教静岡の富田倫弘執行委員長は「学テ対策で点数が上がっても、本来の学力を高めることにはならない。学力テストそのものをやめるべきだ」と強調。県高教組の木藤功執行委員長は「教育委員会制度が改悪され、来年から知事の政治介入が強まり、教育の独立性を保てなくなると危惧している」と警鐘を鳴らしました。


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