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2014年3月25日(火)

見放された「橋下劇場」 大阪「出直し市長選」

「都」構想断念が民意

得票数半減 無効票は最多

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 「冷めた民意」(産経)「橋下流に白票の山」(朝日)―。23日投開票の「出直し大阪市長選」の結果は、筋違いの「市長選」で「橋下劇場」の再現を狙った橋下徹氏(日本維新の会共同代表)が、「民意の後押し」を受けるどころか、多くの市民から見放されたことを鮮明にしました。(藤原直、大阪府・生島貞治)


 今回の「市長選」は、橋下氏が議会側との「大阪都」構想の議論を一方的に打ち切って強行したもの。市民多数が実施自体に反対し、他党も候補者擁立を見送りました。そのなかで「選挙」を強行した橋下氏は、再選されたものの、投票率は23・59%と同市長選で過去最低となり、橋下氏の得票数も2011年の約75万票から約38万票へと半減しました。また、無効票が6万7506票(13・53%)となり、うち白票が4万5098票(9・04%)といずれも過去最多を記録しました。

 日本共産党大阪府常任委員会は24日、結果についての声明を発表。橋下氏の主張と大阪市をつぶす「都」構想が「民意を得る」どころか、「いかに民意とかけ離れたものかが鮮明になった」と指摘しました。

批判広がる

 今回の「出直し選」は、「都」構想への批判の高まりのなか、来年4月の構想実現に固執する橋下氏による区割り案の絞り込みが、府市の議員と「都」構想の制度設計を議論してきた法定協議会で退けられたことに端を発しています。これに腹を立てた橋下氏が「わがまま」で起こしたものです。

 それは、「市長選」に勝てば、維新が過半数に及ばない法定協の委員を入れ替えるという主張など「選挙」を議会封じの道具に仕立て上げるものでした。

 しかし、二元代表制のもとで、議会と首長はともに民意を代表しています。また、法定協は規約で委員の大部分は議会の推薦と決まっています。「都」構想は設計図(協定書)の承認を議会で受ける必要がありますが、「市長選」では「都」構想に反対または批判的な議会の構成は変わりません。何の道理も大義もない「選挙」に対して、「もっと議会と話し合うべきだ」「選挙費6億円の無駄」という市民の批判は告示後もさらに広がり、「毎日」24日付は「筋違いの選挙に対して、有権者は過去最低の投票率で応え」たとまとめました。

 選挙結果に照らしても、法定協委員入れ替えは到底許されず、「都」構想はきっぱり断念すべきだ―。前出の府党常任委員会声明はこう主張しています。

新たな共同

 今回、日本共産党は「大阪都ノー・維新政治打破」を目指す共同を重視する立場から、独自の候補者を擁立せず、参加する「大阪市をよくする会」とともに、「大阪都」のペテンをあばく取り組みで奮闘しました。橋下氏は「市長としての実績」として市民向けサービス379億円を削ったことを「改革」と称しましたが、そうしたウソの一つひとつが見抜かれ、議会内外で橋下・維新に終止符を打つ土台となる新たな共同が広がりました。

市民の意思 示された

市議会の共・公・自・民が会見

写真

(写真)「出直し市長選」の結果についてそろって会見を行った(左から)日本共産党の山中智子市議団幹事長とOSAKAみらい、自由民主党、公明党の各市議団幹事長=23日夜、大阪市

「出直し大阪市長選」の結果について、市議会の日本共産党、公明党、自民党、民主党系の4会派の幹事長が23日、市役所内でそろって会見に臨み、記者団の質問に答えました。

 日本共産党の山中智子幹事長は、選挙結果の受けとめについて、「橋下氏の考え通りにいかなかったら、選挙をやればいいんだという橋下氏の主張に対して、それは許さないという市民の意思が示された」と指摘。

 「橋下氏は自身のやり方について反省してほしい。選挙に行かない、白票を投じるという異例の選択も、たたかいだった」と述べました。

 公明党の待場康生幹事長は「橋下氏が選挙をしたことに市民が否定的な態度を示した。私たちが訴えてきた大義なき選挙と言うのが市民の民意だ」と語りました。

 自民党の柳本顕幹事長は「『大義のない選挙』と言うことに、多くの有権者が同調した結果だ」と指摘。「OSAKAみらい」(民主系)の奥野正美幹事長は、過去最低の投票率、白票の激増など「大阪市民の一定の意思があらわれた」と述べました。

 次の市長選に関して、日本共産党の山中幹事長は「橋下氏に退いてもらおうと思えば、堺市長選のような選挙ができなければならない」と話し、公明党の待場幹事長も「4会派が足並みをそろえられる候補者を擁立したい」と語りました。

橋下氏 「都」構想手続きに固執

 開票日の維新党本部での会見に姿を現さなかった橋下市長は24日、市役所で記者会見し、選挙結果について「堂々と僕自身が市民の多くから信任を得たといえる状況でないことは認識している」と述べる一方、「直近の歴代市長よりも多くの票を得た」と述べ、前回票を半減させたことには言及しませんでした。

 「大阪都」構想については、「『都』構想がこの選挙で信任されたわけではないが、完全に反対されたわけでもない」「『都』構想に限っていえば住民投票で決めるべきだということが明らかになった選挙だ」と強弁し、自らのスケジュールにこだわる姿勢を示しました。

 また、行政側に「都」構想の区割り案を一案に絞り込んで制度設計を進めるよう指示したと述べ、選挙で示された民意や議会の意向をまともに顧みず、「都」構想づくりの作業を進める姿勢を示しました。

大阪市長選の結果

当 橋下 徹   44 大阪維新前 377472

  藤島 利久  51 無新  24004

  マック赤坂  65 諸新  18618

  二野宮茂雄  37 無新  11273

(投票率23・59%)


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