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2014年2月23日(日)

都有地3割売れ残り 20年五輪で会計圧迫

臨海副都心 また借金975億円

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 東京都の臨海地域開発事業会計(臨海会計)が財源難に陥り、基盤整備の財源として発行した起債の返済計画が行き詰まり、2014年度に975億円の新たな借金(借換債発行)をすることが22日、本紙の取材で明らかになりました。臨海副都心への企業誘致の不振に加え、20年東京五輪大会計画のしわ寄せを受けるためです。


写真

(写真)進出予定企業が撤退した臨海副都心・有明南G1区画=東京都江東区(2013年8月15日撮影)

 臨海会計の14年度予算案では、10年前に発行した起債の元金と利息を合わせ1480億円の償還が必要です。一方、予算案で見込んだ臨海副都心の土地処分収入は14億円、他地域分を含めても49億円にすぎません。

 同会計は今後、道路や共同溝など基盤整備に約1600億円を支出する計画です。内部留保金は1800億円余ありますが、20年度までに2432億円の起債償還が必要で、資金不足に陥る可能性が浮上、新たな借金を決めたものです。

 港湾局は「20年度に資金ショート(不足)するかどうかはわからないが、財政基盤を安定させるために借換債を発行する」と説明しています。

 臨海副都心の売却予定地の3割にあたる48ヘクタールの土地が売れ残っている上に、有明北地区に20年五輪で四つの競技施設が建設されるため、土地売却を21年度以降に先送りしたことも会計圧迫の原因になっています。

浪費型開発抑制を 大島よしえ都議の話

 私は13年11月の公営企業会計決算特別委員会で、臨海会計は借金の返済資金が大幅に不足し、さらなる借金地獄に追い込まれることを明らかにしました。私の指摘した通りの結果となっています。それでも都は外国企業や国際会議施設を呼び込み、臨海副都心を国際観光の一大拠点として開発を継続しようとしています。こうした不要不急の浪費型開発は抑制すべきです。


解説

起債乱発 本紙指摘通りに

 臨海副都心開発の不振は、進出を決めた東京建物、森ビルなど4社が2008年から12年にかけて計33億円の違約金を支払って、相次いで撤退したことに象徴されています。

 都の新たな借金方針は、4社撤退の事実を報じた本紙の「14年度には、返済資金が不足し資金ショートの可能性も生じています」(13年4月14日付)との指摘を裏付ける結果となりました。

 東京港埋め立て地に国際ビジネスセンターをつくるという臨海副都心開発の事業会計は、毎日888万円(13年度)の利息返済に追われています。14年度は1日あたり4億円余の返済が必要です。

 臨海副都心の都市基盤整備費は2兆1800億円、約93%を執行済みです。開発に着手する際、都は「開発費用は進出企業に負担してもらうので、都民には迷惑をかけない」と説明していました。

 1990年に企業誘致を開始してから24年が経過しましたが、交通の便が悪く企業が敬遠。有償処分予定地163ヘクタールのうち、都の関連施設を含めて処分が確定したのは115ヘクタール(70・6%)止まり。残る48ヘクタールは塩漬け状態です。

 臨海会計が行き詰まった01年度に、他の会計と統合し公的資金を投入する救済策を講じました。それでも借金地獄は解消せず、10年度に7回目の借換債(898億円)を発行していました。

 舛添要一新知事が継続を決めた、進出企業などに補助金をばらまく臨海副都心MICE(マイス)事業も臨海会計を圧迫しています。

 (岡部裕三)


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