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2014年1月28日(火)

都民の雇用を守る宇都宮さん

都知事選 国家戦略特区への態度をみる

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 東京都知事選挙で、「世界一働きやすく、くらしやすいまち」をめざす宇都宮けんじ候補と、安倍政権の暴走政治と足並みをそろえて「世界一企業が活動しやすい東京」への改造を狙う舛添要一・細川護熙両候補との違いが鮮明になっています。「国家戦略特区」への態度が重大争点に浮上しています。(田代正則)


写真

(写真)宇都宮けんじ都知事候補の訴えに声援を送る人たち=23日、東京・新宿駅西口

ブラック企業 条例で規制 宇都宮氏

雇用破壊 内閣と足並み 細川氏、舛添氏

 国家戦略特区法は昨年12月7日未明に成立しました。安倍政権が6日深夜に秘密保護法を強行成立させ、そのどさくさにまぎれて強行されました。

 特区は、「大胆な規制改革」の起爆剤と位置づけられています。国民のくらしや安全、労働者の権利を守る役割を果たす規制でも、大企業が“邪魔”とみなせば撤廃するため、「突破口」にする狙いです。

 この特区法を強行するため、自民・公明の与党は、野党・民主党の参院内閣委員長を強権的にすげ替えることまでやりました。安倍政権の暴走政治を象徴する法律です。

 たとえば雇用分野では、許される解雇パターンをあらかじめ決めてしまう「雇用ガイドライン」を作成するとしています。どんな条件とするかによって解雇の規制緩和につながるおそれがあります。

 また「有期雇用の特例」をつくり、5年働いたら無期雇用に転換する権利を奪おうという計画もあります。

舛添候補

 舛添・細川両候補は、特区推進を打ち出しています。

 舛添氏は、自身のブログ(25日付)で、「安倍内閣の国家戦略特区制度と連携して…東京を規制改革のモデル・ケースとします」と宣言。政策「世界一東京宣言」では「世界一のビジネスインフラに向けた国際戦略特区の設置(妥協の無い規制緩和と人材の呼び込み)」と強調します。

 「知事直轄の補佐官集団」を政治任用でつくり、トップダウンで安倍暴走政治を押し付けようとしています。それを「一国二制度の実行」と表現しています。

細川候補

 細川候補は告示前日22日の記者会見で、「国でも都でもできなかったこともたくさんある。岩盤規制といわれる、各種既得権に阻まれてきた医療、介護、子育て、教育などの規制改革を強力に進めていきたい」と強調。「私の最も期待されるところ」とまでいいました。

 細川氏が会見で使った「岩盤規制」という言葉は、安倍政権の有識者会議で、雇用や医療、農業などで国民の人権や生命を守る大原則を敵視する言葉として繰り返されたものです。

 細川候補の政策に、「国家戦略特区を活用し」、「ハローワークは、国から都へ移管し、民間の職業紹介とも合わせてきめ細かな就業支援を実現します」とあるのは、大企業の首切りリストラを税金で支援し、民間のリストラ請負会社をハローワークの求人情報でもうけさせる安倍政権の「労働移動支援」策を実行するものです。

 また「医療、介護、保育、教育など」でも「産業としての発展につなげます」といい、公共サービスとしての都政の責任を放棄して市場化・民営化の方向を打ち出しています。

 細川氏と小泉純一郎元首相は、かつて「行政改革研究会」をつくり、そこで郵政民営化など公共サービス解体のプランを練り上げた仲です。

宇都宮候補

 宇都宮けんじ候補は、22日の新宿駅前で、2008年末からとりくまれた「年越し派遣村」の経験を語り、「国家戦略特区は、『解雇特区』『ブラック企業特区』です。企業には天国でも、労働者には地獄だ。許してはならない」と訴えました。

 宇都宮候補の政策では、「世界一、働きやすく、くらしやすい希望のまち東京をつくる」としています。「くらし・住まい・雇用保障条例」をつくる、「ブラック企業規制条例」制定で若者使い捨ては許さない、最低賃金時給1000円以上を国に働きかける、都の発注する仕事の労働条件を向上させる「公契約条例」をつくるなどの提案をしています。

 舛添・細川両候補の特区推進は、猪瀬直樹前知事の都政を受け継ぐ姿勢でもあります。

 猪瀬氏も「特区」推進でした。提案書では、外国の多国籍企業誘致のため大幅な法人税減税やカジノ誘致構想が並んでいました。医療分野には、猪瀬氏と徳田虎雄理事長(当時)が面会した病院名も明記。5000万円疑惑には、「特区」に向けた徳洲会の事業戦略があった可能性が指摘されています。


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