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2013年5月25日(土)

首都・東京から日本共産党躍進のうねりを

―国政も都政も対決軸は明快

東京の大演説会 志位委員長の訴え

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 日本共産党の志位和夫委員長が22日、東京都江東区の有明コロシアムで開かれた東京演説会でおこなった演説は次の通りです。


写真

(写真)演説する志位和夫委員長=22日、東京都江東区

 みなさん、こんばんは(「こんばんは」の声)。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫でございます。(大きな拍手)

 首都決戦が目前に迫ってまいりました。どうか東京から三つの勝利をかちとらせていただきたい。まず都議会議員選挙で現有8議席を必ず確保し、11人以上への躍進をかちとらせてください(拍手)。つづいて参議院選挙では、政党を選ぶ比例代表選挙で「全国は一つ」で、650万票以上を獲得し、紙智子さん、小池晃さん、井上さとしさん、山下よしきさん、仁比そうへいさん――国会に絶対になくてはならないベストファイブの全員勝利にお力をお貸しください(拍手)。そして、定数5を争う東京選挙区では30歳、若さがきらきら(笑い)輝く吉良よし子さんを、都民の代表として1回で国会におしあげてください。どうかよろしくお願いいたします。(拍手)

 みなさん。首都東京の底力を発揮し、燃えに燃えて、大激戦を勝ち抜き、必ず躍進をかちとろうではありませんか。(大きな拍手)

 今日は、都議選・参院選で問われる五つの大争点と日本共産党の立場についてお話をさせていただきたいと思います。どうか、最後までよろしくお願いいたします。

第一の争点――アベノミクスの暴走ストップ、大幅賃上げで不況脱出を

 第一の争点は、暮らしと経済をどうするかであります。

アベノミクスで何が起こっているか――庶民生活への圧迫、富裕層に巨額の富

 安倍政権の最大の売り物は、「アベノミクス」なる経済政策であります。首相は「株が上がった」とさかんに自慢しています。しかし、みなさんの暮らしの実感はどうでしょうか。「読売」の最近の調査では、「景気回復を実感していますか」との問いに「実感していない」と答えた方が実に76%にのぼりました。サラリーマンのなかではこういう会話が交わされているといいます。「アベノミクスはいつになったらやってくるのか」

 国民の実感は、暮らしと経済の現状を正確に反映したものです。賃金は、安倍政権になってからも下がり続け、3月の給与も前年比でマイナスが続いています。金融緩和にもかかわらず、三大銀行の中小企業向け貸出比率は史上最低となりました。企業の設備投資は、5期(四半期)連続マイナスとなりました。賃金と中小企業と設備投資という、経済の土台のところでは、落ち込みが続いているではありませんか。

 急激な円安で、小麦などの輸入食品、トイレットペーパーなどの生活用品、電気・灯油などが高騰し、庶民の家計をしめつけています。燃油高騰は、イカ釣り漁船にいっせい休漁を余儀なくさせ、ハウス農家、運送業者に大打撃をあたえています。中小企業は、輸入資材が高騰しているにもかかわらず、容易に価格には転嫁できず、経営への圧迫がたいへん深刻になっています。

 それとは対照的に、一握りの富裕層には、巨額の富が転がり込んでいます。この間の株高で、最ももうけたのは、ユニクロ会長の柳井氏一家です。半年間でなんと1兆円の資産を増やしました(驚きの声)。1兆円と言ってもピンときませんね。さわったことがないですから(笑い)。1日で55億円、1時間で2億3千万円増えた計算になります(驚きの声)。「時給」=2億3千万円!(笑い、どよめき)

 新卒社員の「使い捨て」を繰り返し「ブラック企業」として批判されているユニクロ会長がもうけ頭という経済政策がまともなものといえるでしょうか(「いえない」の声)。経済の膨張の中でバブルが起こることがありますが、政府が率先して「投機とバブル」をあおりたてるのは邪道だということをいいたいと思います。(大きな拍手)

“解雇・ただ働き自由”と消費税大増税・社会保障の大改悪を許すな

 これから先に国民を待っているものは何でしょうか。

 安倍首相は「成長戦略」として、“企業が世界一活動しやすい国”をつくるといっています。どんな国をつくるというのか。一つは“解雇自由の国”であります。正社員を二つに分けて、地域や業種などを限定した「限定正社員」をつくる。所属している事務所が閉鎖されたら一緒にまとめて解雇されるという仕組みをつくるというものであります。もう一つは“ただ働き自由の国”であります。正社員には、「ホワイトカラー・エグゼンプション」といって、残業代ゼロ――「サービス残業」を合法化にしていくことが検討されております。日本社会全体を「ブラック企業」化し、“働く人が世界一住みにくい国”をつくる暴走には断固としてストップをかけていこうではありませんか。(大きな拍手)

 さらに大問題がひかえています。消費税大増税と社会保障大改悪の一体改悪であります。生活保護の大幅引き下げに続いて、役所の窓口で申請書を交付せず追い返す「水際作戦」を合法化する大改悪の法案が閣議決定されたことは、許すわけにはいきません(拍手)。それを突破口に、年金給付の連続削減と支給開始年齢の68歳〜70歳への先のばし、医療費の窓口負担の引き上げ、介護の利用料の引き上げと「要支援者」の保険はずしなどが計画されています。

 それと一体に、来年、再来年と、消費税の連続増税がいよいよ実行に移されようとしています。ただでさえ、働く人の所得が減り、中小企業は消費税を販売価格に転嫁できず身銭を切って払っている。そこに13・5兆円もの大増税をかぶせれば、日本経済の底がぬけてしまうことは、誰の目にも明らかです。

 私が強調したいのは、消費税増税に国民のみなさんが信任状を与えたことはただの一度もないということであります(拍手)。昨年の総選挙の時に、増税をすすめた自公民各党は、「増税をさせてください」「増税をすすめるわが党に1票を」といったでしょうか。正直に語ったでしょうか。そろいもそろって、「だんまり作戦」だったではありませんか。私が出席したテレビの党首討論で、安倍総裁は、消費税増税について問われて、「○」の札も、「×」の札も両方ともあげませんでした。そうやって、増税隠しでかすめ取った議席で、増税強行など許せるものではありません。(大きな拍手)

 みなさん。たたかいはこれからが大事です。増税するなら、まず株で大もうけしている富裕層、260兆円ものため込み金がある大企業にこそ応分の負担を求めるべきであります(拍手)。都議選、参院選で増税勢力に怒りの連続審判を下し、消費税増税の実施をなんとしても中止させようではありませんか。(大きな拍手)

政治のイニシアチブで、内部留保を活用し、大幅賃上げで不況脱出を

 それでは、日本共産党は、日本経済をどうするのか。

 私たちは、この間、「賃上げ・雇用アピール」「景気回復提言」をあいついで発表し、国会論戦で実現を迫ってきました。その一番の中心は、働く人の賃金を増やし、安定した雇用を増やすことこそ、「デフレ不況」から脱却する一番のカギだということであります。

 大企業は、いま、260兆円もの内部留保――ため込み金をかかえて、使い道がなくて困っています。それならば、政治がイニシアチブを発揮して、賃上げのために使わせてあげようではありませんか(拍手)。全部使えとはいっていませんよ(笑い)。1%程度とりくずせば、8割の大企業で月額1万円の賃上げができます。非正規社員の方々にも時給100円の賃上げができます。これに正面からとりくんでこそ、消費と内需がのび、「デフレ不況」からの脱出ができる。これが日本共産党の提案であります。(大きな拍手)

 日本共産党の提案は、現実政治を動かしています。この間、安倍首相が、経団連に賃上げを要請するという珍しいことが起こりました。首相は、「共産党の指摘もあって、経済界に申し入れた」と殊勝にものべました(笑い)。ニューヨーク大学名誉教授の佐藤隆三さんは、「しんぶん赤旗」のインタビューでこう語りました。「ニューヨーク・タイムズも企業がもっている現金をもっとうまく働かせようというタイトルの論評を掲載しました。共産党の志位さんは以前から内部留保を使って賃上げをと言ってきました。共産党とは日米同盟などで考え方が違いますが、内部留保に関する主張には大いに賛成です」(拍手)

 みなさん。道理ある主張は必ず政治を動かします。日本共産党を伸ばしていただいて、大幅賃上げをかちとり、この不景気から脱出しようではありませんか。どうか、お力をお貸しください。(大きな拍手)

福祉と暮らしを削り、巨大開発に熱中――「逆立ち」都政をただそう

 それでは、都政はどうなっているでしょうか。

 国が都民を苦しめる政治を押し付けてきたら、「防波堤」となって都民のみなさんの暮らしを守るのが自治体の役目です。とりわけ、何はさておいても福祉と暮らしに最優先でみなさんの大事な税金を使うことこそ、自治体の役目ではないでしょうか。(拍手)

高齢者福祉の大削減、国保軽減措置の投げ捨て――こんな冷たい都政でいいのか

 ところが石原前都政の継承を掲げる猪瀬都政はどうでしょう。

 猪瀬知事がつくった今後3カ年の重点計画「アクションプログラム2013」という文書があります。これを見ますと、総事業費のなんと31%が、東京外郭環状道路をはじめ3環状道路建設、国際コンテナ戦略港湾整備など巨大開発にあてられています。その一方で、少子化対策、医療対策は、それぞれわずか2%、高齢者対策は3%にすぎません。お金の使い方が「逆立ち」しているのではないですか。(拍手)

 こういう姿勢が都民のみなさんの暮らしにどうあらわれているでしょう。

 高齢者福祉では、革新都政の時代に都民の力でつくった、寝たきりのお年寄りへの福祉手当の廃止、老人医療費助成制度の廃止、シルバーパスの全面有料化が強行されました。高齢者1人あたりの老人福祉費は、1999年度から2011年度までに実額でなんと23%も減らされました。これは決して全国的傾向ではありません。他の道府県では平均で同じ時期に53%増やしているのです。減らしたのは47都道府県で東京だけであります。その結果、老人福祉費は、全国1位から29位に転落しました。

 国保料、国保税が高すぎます。滞納世帯が東京では23%にもおよび、保険証が取り上げられ、命の危険にさらされています。23区では、今年も値上げが決まり、夫婦2人で夫の年収が200万円の世帯の保険料は、3年前が9万1千円だったのが、何と15万7千円、72%もの値上げになります。市区町村の国保財政がたいへんならば、それを支援するのが東京都の役目ではないでしょうか(拍手)。ところが都独自の支援で都民の国保負担を減らすという考え方を投げ捨て、支援額は、石原・猪瀬都政で320億円から43億円に激減しました。こんなに減らしたのも全国で東京だけです。都独自の福祉の事業をしないなら、何のための都政か、そんな都政ならいらない、そのことが問われるのではないでしょうか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 さらに、東京では今年、認可保育園に申し込んでも入れなかった子どもが2万3千人以上となりました。特別養護老人ホームの待機者は4万3千人もおられて、行き場を失い、施設を転々とする高齢者が増え、「老人漂流社会」といわれるまでになっていることは、たいへん胸が痛む事態であります。

外環道3キロ程度のお金をあてれば、介護も保育も解決に道が開ける

 他方で、巨大開発には桁違いのお金が注ぎ込まれています。

 東京外郭環状道路はその典型です。地下40メートルもの深さに、直径16メートルものトンネルを上下線で2本もくり抜くというものです。16メートルといったら、5階建てのマンションがすっぽり入るだけの大きさです。建設費は1メートル1億円。地上分の建設費を含めますと、関越・東名高速間16キロで、事業費は2兆円に達します。

 都は、「環8の渋滞解消のため」といっているそうです。しかし、政府の調査でも、環状8号線31キロの走行時間短縮効果は、81分から75分にわずか6分(笑い)、短縮されるだけであります。1キロメートルあたりにしますと、わずか12秒早くなるだけであります。たった12秒のために2兆円とは、あまりにばかげているというほかないではありませんか。(拍手)

 特別養護老人ホームを2万人分整備するためには、この外環道路の2・6キロ分のお金があればできます。認可保育園を3万人分整備するためには、この外環道路のたった780メートル分のお金があればできます。あわせても外環道路3キロ程度で、介護も保育も解決に道が開けます。みなさん。外環と福祉とどちらを優先すべきか、誰が考えても答えは明らかではないでしょうか。(大きな拍手)

 福祉と暮らしを削りながら、巨大開発に熱中する――自治体にあるまじき「逆立ち」政治をただす。ここにこそ今回の都議選の最大の争点があることを私は訴えたいと思います。(大きな拍手)

調査・提案・論戦――三拍子そろった奮闘で都政を動かす党都議団の躍進を

 日本共産党都議団は、議席は八つですが、都民の運動と結んで都政を動かす大きな働きをしております。

 野球では、よく「走攻守」と三拍子そろったチームが強いといわれます。日本共産党都議団は、調査・提案・論戦、三拍子そろった強力な議員団であります。(拍手)

 たとえば、認可保育園の建設の問題です。4年前には、東京都は、「お金がかかる」という理由で、営利企業による安上がりの認証保育園を推進し、認可保育園の建設にかたくなに後ろ向きの態度をとりつづけてきました。党都議団は、認可保育園への入所を希望しているのに入れない子どもさんの数を独自に調査しました。毎年公表しました。その実態をもとに増設を求める論戦を重ねてきました。さらに「利用可能な国有地が23区内だけでも東京ドーム130個分ある」など、具体的な提案もおこなってきました。その結果、この3年間で1万7500人分の認可保育所増設が実現したことをご報告したいと思います(拍手)。4年前の共産党の公約は「1万5000人分の増設」でしたから、“超過達成”となったということを、ご紹介したいと思うしだいであります。(拍手)

 特別養護老人ホームの問題では、4年前に群馬県の無届け高齢者施設「たまゆら」の火事で10人のお年寄りが亡くなるという痛ましい事故が起こりました。亡くなった10人のうち7人が都民でした。党都議団は、独自調査で高齢者が貧困ビジネスの餌食(えじき)にされている実態が、都内にも数多くあることを突きとめ、明らかにしてきました。こうした日本共産党ならではの調査にもとづく告発が、都政を動かす力になりました。2008年には26億円まで減らされていた特養ホームの整備費補助が、今年度予算では118億円まで増え、毎年平均1300人分の施設が新たにつくられるというところまで変化をつくったということもご紹介させていただきたいと思います。(拍手)

 保育にしても、介護にしても、問題は解決しておりません。どちらも解決にむけて足を踏み出したところです。しかし、一歩ではあれ、踏み出させたことのもつ値打ちは、たいへん大きいものがあるのではないでしょうか(大きな拍手)。8議席でもこの成果。日本共産党を躍進させれば、都政は必ず変わります。みなさんの絶大なご支持を心からお願いいたします。(大きな拍手)

第二の争点――原発再稼働への暴走か、即時原発ゼロへの転換か

 第二の争点は、原発問題をどうするかであります。

 いま安倍内閣は、財界と一体になって、再稼働への暴走を開始し、原発輸出のトップセールスに奔走しています。しかし、ここでも「破たん」が噴き出しています。

大量の放射能汚染水が流出する危機的状況の瀬戸際――福島原発の実態

 私たちは、3月9日、福島原発のサイト内に入って視察をおこないました。福島原発は「収束」とは程遠い、事故の真っただ中にあることを実感いたしました。

 1、2、3号機のメルトダウンした核燃料を冷やすために大量の水を送り続けなければなりません。ところが、原子炉建屋などに地下水が1日400トン流入し、高濃度の放射能汚染水がどんどん増加しています。汚染水は「タンクに詰めて保存する」との説明でした。行ってみますと、原発サイト内には大小800ものタンクが林立する異様な光景が広がります。タンクの増設を怠ったために足らなくなって、七つの地下貯水槽に汚染水をためましたが、ずさんな設計のために汚染水漏れという大事故を引き起こしました。

 私は、放射能汚染水に含まれている放射性物質はどれくらいの総量になっているか、調べてみました。そうしますと、それは、事故で大気中に飛散したものの約10倍と推定されるほど巨大な量に達しています。このような巨大な放射能を含む大量の汚染水が外部に流出する危機的状況の瀬戸際にまでおちいっているのが、福島第1原発の現状だということを、まず報告したいと思います。

「収束宣言」撤回、再稼働を中止し、即時原発ゼロの政治決断を

 こうした事態を踏まえて、日本共産党はつぎの三つの要求をするものです。

 第一は、政府が「収束宣言」を誤りと認め、きっぱりと撤回することであります(拍手)。ここまで事態を悪化させた根本には、「汚染水はいずれ海に捨てればよい」「海に捨てれば薄まるだろう」、こういう無責任きわまる発想があります。どんな形にせよ汚染水の海への放出は絶対にやってはなりません(拍手)。「収束宣言」を撤回し、収束と廃炉を日本の英知を結集した大事業と位置付けてやりぬくべきであります。

 現場に行きますと、3千人もの労働者が働いています。安全と健康の管理に万全を尽くし、労働条件を可能な限り良くすることを強く要求します(拍手)。除染と賠償を徹底的におこない、いまなお先の見えない避難生活を強いられている15万人もの方々の生活と健康に全面的に責任を持て、このことを強く求めていこうではありませんか。(拍手)

 第二は、原発再稼働など論外だということであります。7月の「規制基準」施行を受けて、柏崎刈羽、泊、伊方、高浜、玄海、川内原発の再稼働が狙われています。しかし、事故の原因もわかっていない、収束もできない、そんな政府にどうして再稼働など許されるでしょうか。だいたい、原発に「絶対安全」はないということは、日本国民が体験し、政府ですら認めたことではありませんか。再稼働中止の審判を下そうではありませんか。(大きな拍手)

 あわせて、私は、原発の輸出政策をただちに中止することを求めます。自国で大事故を引き起こした張本人が、他国に平気で原発を売り込むことほど罪深いことはありません(拍手)。「死の商人」ならぬ「死の灰の商人」をただちにやめることを、私は強く求めたいと思います。(大きな拍手)

 第三に、この2年余の経験は、原発と人類は共存できないことを示しました。私たちは、福島原発事故対策の拠点とされている「Jビレッジ」からバスに乗って原発に入りました。途中から「警戒区域」に入りますと、田畑には雑草が生い茂っています。住宅も荒れ果てています。車は放置されています。人の姿はまったくありません。2年間、時間が止まったかのようであります。この地域には2万6千人もの方々の生活の営みがありました。それを一瞬にして断ち切ったのが原発事故であります。原発と人類は共存できません。即時原発ゼロの政治決断をおこなうことを、政府に強く求めるものであります。(拍手)

 原発推進派に「自然エネルギーは供給が不安定」という議論があります。しかし、原発こそ不安定だということを、2年前に経験したことをもう忘れたのか。再生エネルギーは、普及がすすめばすすむほど安定します。多様なエネルギー――風力、太陽光、地熱、小水力、バイオマスを組み合わせれば安定します。そして日本は、多様で豊かな再生エネルギーの宝庫であります。原発の40倍にものぼる巨大な潜在力を生かし、自然エネルギー大国・日本に切り替えようではありませんか。

 日本最大の電力消費地、首都・東京から、原発即時ゼロ、再生可能エネルギーへの転換の流れを、日本共産党の躍進でつくろうではありませんか。(大きな拍手)

第三の争点――こんなアメリカいいなり政治をこのまま続けていいのか

 第三の争点は、こんなアメリカいいなり政治を、このまま続けていいのかということであります。

日本を丸ごとアメリカに売り渡すTPP推進勢力に審判を

 安倍首相は、日米首脳会談をへて、3月15日、ついにTPP交渉参加を表明しました。私は、記者会見で、首相は「守るべきものを守る」といっているが、いったん参加したら「守るべきものが守れない」のがTPP交渉だと厳しく批判しました。

 TPPは、「例外なき関税と非関税障壁の撤廃」が大原則とされています。関税ゼロになれば日本農業は壊滅します。非関税障壁撤廃となれば、国民皆保険が破壊され、食の安全が脅かされ、あらゆる面でアメリカ型のルールが日本に押し付けられます。

 事態は、私たちが警告した通りの展開となりました。4月12日、交渉参加にむけてアメリカとの事前協議が決着しました。牛肉、自動車、保険の3分野で、日本はアメリカの要求を丸のみにして、高い「入場料」を請求通り支払うという結果になったではありませんか。他方、コメ、乳製品、砂糖など重要農産物の関税については、何一つ保証をえることができなかったではありませんか。さらに、TPP交渉と並行して、非関税障壁について日米2国間協議をおこない、TPP交渉の妥結までにまとめることを約束させられるという、過去にも世界にも類をみない屈辱的な合意までとり結んだのであります。何が「強い交渉力」か。聞いてあきれるじゃありませんか(拍手)。実態は、アメリカに譲歩を続け、日本を丸ごとアメリカに売り渡す亡国の政治そのものではありませんか。

 この問題でもたたかいはこれからです。だいたい総選挙で自民党は何といったか。「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。自民党」というポスターまで張り出したではないですか。いまやっていることが公約違反と言わずして何というのか(「そうだ」の声)。そして、「公約を踏みにじるものがどんな末路をたどるかは、民主党政権が示している」といったのも自民党ではありませんか。(拍手)

 公約破りの自民党と、民主、維新、みんなの党、TPP推進の諸党に厳しい審判を下し、TPPへの暴走にストップをかけようではありませんか。(大きな拍手)

首都圏に巨大基地の異常――日米安保条約を廃棄し、真の主権回復を

 米軍「基地国家」・日本でいいのかも、根本から問われるべき時期に来ていると思います。

 沖縄のように人口が密集している狭い地域に、かくも大規模な軍隊を駐留させているところは、世界広しといえどもほかにありません。首都圏に、横田、厚木、横須賀と、三つもの巨大外国基地を抱えている国もほかにありません。海兵隊と空母打撃群という「殴り込み」専門の部隊に根拠地を提供している国も日本だけであります。

 私は、横田基地の危険にあらためて目をむけようということを訴えたいのであります。わが党の吉田信夫都議が明らかにした問題ですが、横田基地の周辺には、米国内であれば公共施設などの設置が禁止される危険地域に、小学校、集会所、体育館、特養ホーム、病院、都営住宅などが多数存在しています。米国内では存在が許されない基地が横田基地なのであります。それが、どうして日本ならば許されるのか。横田基地は、巨大な専用空域をもち、羽田空港などを利用する航空機の安全を脅かすという点で、その危険は日本国民全体に及んでいることも訴えたいと思います。「基地のない沖縄」をめざす沖縄県民のたたかいに固く連帯し、横田基地の無条件・全面撤去を強く要求してたたかおうではありませんか。(大きな拍手)

 世界に目を向ければ、軍事同盟に縛られている国というのはごく少数派になっています。21世紀も日米安保条約という屈辱的条約をつづけていいのか。いまこそ国民的議論をおこそうではありませんか。

 安保条約第10条の取り決めでは、どちらか一方の政府が廃棄の通告をすれば、1年後に条約はなくなるとされています。日本国民の意思がまとまり、アメリカに廃棄の通告をすれば、1年後に安保条約はなくなり、日本からすべての米軍は撤退します。撤退の費用は米国に負担してもらうというのが日本共産党の方針であります。(拍手)

 そしてアメリカとの関係は、安保条約に代えて、対等・平等の日米友好条約を結ぼうというのが私たちの提案であります。もう安保の鎖を断ち切るべきときではないでしょうか。安保条約をなくし、真の主権回復をかちとろうではありませんか(大きな拍手)。自主・独立・平和の新しい日本を、日本共産党を伸ばしてつくろうではありませんか。(拍手)

第四の争点――憲法改悪を許さず、憲法9条を生かした平和外交を

 第四の争点は、憲法をめぐる対決であります。

 昨年の総選挙で、自民党、維新の会、みんなの党など、むき出しの改憲派が多数を占めました。彼らの最大の目的は憲法9条を改定して、日本をアメリカとともに「海外で戦争をする国」につくりかえるところにあります。その危険性を正面からとらえつつ、彼らが、いま自ら矛盾をつくりだしていることをとらえ、その弱点を徹底的に突く論戦をおこなっていきたい、その決意をまず表明したいと思います。(拍手)

憲法96条改定論が大きな矛盾を引き起こす――国民的包囲を強めよう

 その一つは、改憲派が、憲法96条の改定――憲法改定手続きの緩和――を憲法改定の「突破口」として押し出したことが、憲法9条改定の是非をこえて、多くの人々の批判を広げていることであります。彼らは、“96条改定ならばハードルが低い”という思惑で、憲法とは何なのかについての、彼らなりの真剣な吟味も検討もないまま、党略的で、よこしまな、浅知恵で(笑い)、ことを始めました。しかし、みごとにそのもくろみは崩れつつあるではありませんか。(拍手)

 この問題は、単なる「形式論」「手続き論」ではありません。近代の立憲主義は、主権者である国民が、その人権を保障するために、憲法によって国家権力を縛るという考え方にたっています。国民を縛るのが憲法ではありません。権力を縛るのが憲法なのであります(拍手)。そのために憲法改定の要件も、時の権力者に都合のよいように憲法を変えることが難しくされています。これは、世界でも当たり前のことなのです。国会による憲法改定の発議要件を、両院の3分の2以上から過半数にする、つまり一般の法律並みにすることは、憲法が憲法でなくなる「禁じ手」であって、絶対に許すわけにいかないということを訴えたいと思います。(大きな拍手)

 各界から批判が広がるなかで、相手側に動揺と混迷が始まっています。首相は10日、「慎重にやらなければならない」と言って、引け腰を見せました。そうしますと、この問題の急先鋒(せんぽう)を務めている「産経」が、5月17日付の社説で「憲法96条改正はどうした」と、首相の尻をたたきました。ところが、同じ「産経」が3日後の1面で、評論家の岡本行夫氏の論評を載せ、そこでは、「憲法は国の最高法規だ。その憲法が法律と同じ簡便さで改正発議されるのはどう考えてもおかしい」といっています。「産経よ、どうした」といいたくなる足並みの乱れではありませんか。(笑い、拍手)

 みなさん、ここは攻めどころです。私は、憲法96条改定反対の一点で、一致するすべての政党、団体、個人が協力し、このたくらみを断念に追い込むまで徹底的に国民的包囲を強めることを、心から呼びかけたいと思います。(大きな拍手)

軍事に頼らない「平和的安全保障」――ASEAN方式を北東アジアに広げよう

 改憲派は、「北朝鮮や中国との関係を考えても改憲が必要」という宣伝を、さかんにやっています。

 しかし、北朝鮮問題にしても、中国との紛争問題にしても、何よりも大切なことは、道理に立った外交交渉による解決に徹する、ここにあるのではないでしょうか。(拍手)

 この点で、飯島内閣官房参与が訪朝し、日朝交渉再開の準備が伝えられています。会談内容の詳細は不明ですが、私は、日本政府が対話の方向に動いたことは、歓迎すべき方向だと考えます(拍手)。わが党は、北朝鮮問題の対話による解決を一貫して求め、2002年に日朝平壌宣言がかわされたときには、党首会談で、当時の小泉首相にたいして、「歓迎します。協力をおしまない」と表明しました。私は、ありとあらゆる問題で小泉首相とはきびしく対決してきましたが、この一点だけは「歓迎します」といったのです。私たちは、こうした立場に立って事態を注視するとともに、日朝平壌宣言にもとづいて、核、ミサイル、拉致、過去の清算など、日朝両国間の諸懸案が包括的に解決されることを強く望むものであります。(拍手)

 「紛争の対話による解決」という点では、私たちは学ぶべき手本を、東南アジアにもっています。ASEAN(東南アジア諸国連合)は、TAC(東南アジア友好協力条約)やARF(アセアン地域フォーラム)など、「紛争の対話による解決」の枠組みをまず域内につくり、それを域外にも広げています。その合言葉は、「紛争を戦争にしない」「紛争の対話による解決」であります。軍事に頼らない「平和的安全保障」という考え方を実践しているのがASEANの諸国であります。

 このASEAN方式を、北東アジアにも広げようというのが、日本共産党の提案であります(拍手)。私たちは、これを昨年、「外交ビジョン」という形でまとまってお示ししましたが、この4月、「しんぶん赤旗」の記者が、ASEAN諸国を取材し、インドネシアの副大統領補佐官にわが党の「外交ビジョン」を紹介したところ、「もしもそれが実現したら素晴らしい」「そういう北東アジアを見てみたい」という強い共感が寄せられたことを、この場で報告しておきたいと思います。(拍手)

 みなさん。人類社会から紛争――もめごとはなくならないかもしれない。しかし、紛争を戦争にしないことは人類の英知でできる。この理想を最も先駆的に刻んだのがわが日本国憲法第9条ではありませんか。(拍手)

 憲法9条を守り抜くとともに、その生命力を生かして、アジアの平和、世界の平和に貢献する日本をつくろうではありませんか。その願いを日本共産党にたくしてください。よろしくお願いします。(大きな拍手)

第五の争点――侵略戦争を肯定・美化する逆流を日本の政治から一掃しよう

 第五の争点は、歴史問題をめぐる対決であります。

 この間、過去の侵略戦争と植民地支配を正当化する歴史逆行の勢力が、その本性をむき出しにし、一大国際問題となっています。

戦後の国際政治の土台を覆すもの――国際政治に参加する資格なし

 麻生副総理ら4人の閣僚が靖国神社に参拝し、安倍首相が真榊(まさかき)を奉納するという事態がおこりました。靖国神社は、A級戦犯を合祀(ごうし)していることだけが問題なのではありません。過去の日本軍国主義による侵略戦争を「自存自衛の正義のたたかい」「アジア解放のたたかい」と丸ごと美化し、宣伝することを、存在意義とする特殊な施設であることにこそ、最大の問題があります。首相や閣僚による参拝や奉納は、侵略戦争を美化する立場に自らの身を置くことを宣言するものにほかなりません。首相は、「わが閣僚においては、どんな脅かしにも屈しない」とのべましたが、このような傲慢(ごうまん)な開き直りは、絶対に許されるものではありません。(拍手)

 さらに、安倍首相は、「村山談話」の見直しに言及し、「侵略の定義は定まっていない。国と国との関係でどちらから見るかでちがう」とのべました。首相は、国会でのわが党の追及に対して、「村山談話」の一番の核心部分――「国策を誤り」「植民地支配と侵略」をおこなったという部分について、何度と聞いてもかたくなに認めようとしていません。しかし、日本が敗戦のときに受諾したポツダム宣言には、なんと書いてあるか。日本の戦争が「世界征服」を目的としたものであること――侵略戦争であることを明確に弾劾しているではありませんか。首相は、ポツダム宣言を認めないつもりでしょうか。戦後の国際政治は、日独伊がおこなった戦争が、不正不義の侵略戦争だったということを共通の土台としています。この土台を覆す勢力には、国際政治に参加する資格はないということを、私は、言わなければなりません。(拍手)

歴史を改ざんし、歴史に逆らうものに、厳しい審判をくだそう

 一方、日本維新の会の橋下徹共同代表が「慰安婦は必要だった」という驚くべき暴言を吐いたことに、内外からごうごうたる批判が集中しています。女性を戦争の道具とみなすこの発言が、すべての女性への冒とくであるとともに、男性への冒とくでもあり、人間への冒とくであることは、論をまちません。橋下氏は、あれだけの批判を受けながら「日本人の読解力が不足している」などと、責任を国民のみなさんに転嫁する見苦しい態度に終始しています。もはやこの人物に公人たる資格はありません(「そうだ」の声、拍手)。暴言を撤回・謝罪し、即刻大阪市長を辞任することを求めるものであります。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 もう一人の共同代表、前都知事の石原慎太郎氏も、「戦争に売春はつきもの」と橋下氏の発言を擁護するとともに、「(先の戦争は)侵略じゃない」「(植民地支配は)どの国もやっていた」などと、侵略戦争と植民地支配を全面的に正当化する暴言を重ねているではありませんか(「歴史を勉強しろ!」の声)。「歴史を勉強しろ」との声がありました(笑い)。勉強してももうわかりませんよ、あの人には。(笑い、拍手)

 さらに、維新の会は、党として、橋下発言の撤回を求めないことを決め、両共同代表の態度を、党ぐるみ容認しています。このような態度を続ける限り、維新の会は、国政であれ、地方政治であれ、日本の政治に関与する資格がないということを、私は、はっきりといいたいと思います。(大きな拍手)

 また、安倍首相は、橋下暴言に対して国会で問われ、「立場が異なる」というだけで、批判も否定も決してしようとはしません。これらは、安倍・橋下・石原氏の3人組が、「歴史逆行」において同根であることを示すものにほかなりません。

 みなさん。都議選・参院選で、歴史を改ざんし、歴史に逆らう勢力への厳しい審判をくだしていこうではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

自民・維新などに戦犯勢力の末えいが巣食う――日本政治の異常をただそう

 それにしても、なぜ日本でこのような歴史逆行の事態が繰り返されるのか。日本の敗戦後の再出発の過程に根源があります。日本の侵略戦争を推進した指導勢力のうち、戦争犯罪人として裁かれたのは、東条英機などごく一握りの人々で、多くはまもなく「復権」し、日本の政治の中枢を握ることになりました。日本では、連合国による東京裁判はおこなわれましたが、自国の裁判所では戦争裁判の処罰はただの一人もおこなわれなかったのであります。その結果、戦犯勢力の末裔(まつえい)が、自民党や維新の会などに、いまなお巣食っているのであります。ここに日本の政治の他に類のない異常の一つがあることを、私は厳しく指摘しなければなりません。(拍手)

 同じ侵略国だったドイツはまったく別の道を進みました。ドイツでは連合国によるニュルンベルク裁判とは別に、1945年から自国の裁判によってナチ戦犯をいまでも裁き続けてきています。10万人以上のナチス関係者が裁判にかけられ、6千人以上が有罪となり、永久訴追がおこなわれています。こうした徹底的な侵略戦争と戦争犯罪への自己批判によって、ドイツはヨーロッパ社会で多くの友人を得たのであります。

 みなさん。歴史は後で書き換えることはできません。都合よく消しゴムで消すこともできないのです。しかし誠実に向き合うことはできます。歴史を改ざんする逆流を日本の政治から一掃しようではありませんか(大きな拍手)。日本共産党は、暗黒の時代に、侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた党として、その先頭にたって奮闘する決意をここに表明するものであります。(大きな拍手)

日本共産党の本が韓国で出版――先輩たちの苦闘が日韓の友情発展に生きている

 これにかかわって、一つうれしいニュースをご紹介したいと思います。

 私が書いたもので、『日本共産党はどんな党か』という本があるのですが、韓国語に訳されまして、一昨日、発刊の運びとなりました(拍手)。韓国語版のタイトルは『いま、日本共産党』というものです。洪相鉉(ホン・サンヒョン)さんというジャーナリストが、日本共産党の姿に接し、翻訳と出版の労をとってくださいました。(翻訳本を掲げて)朱色一色です。こういう装丁のすてきな本に仕上げていただきました。洪さんは、出版のいきさつについて、「訳者あとがき」で次のように語っておられます。

 「2005年8月、日本の放送チャンネルが放送した『一対一』対決討論で。当時、小泉総理の政治的後継者として連勝街道を走っていた安倍(晋三)を迎え、いわゆる『靖国史観』ともいえる彼の歴史認識に対して猛攻を浴びせた志位委員長の姿を見て、初めて日本共産党に関心を持つようになった」

 「2011年2月、放送社の取材依頼で代々木にある日本共産党本舎を訪問し、志位委員長との単独インタビューを行い、植民地支配の韓国・朝鮮の愛国者たちと連帯し、反帝国主義のたたかいを展開した初期日本共産党員の皆さんの活動の姿についての雄弁な証言を聞き、『必ず韓国社会にこの政党を紹介する本を翻訳しなければならない』と決意した」(大きな拍手)

 大韓民国建国以来、日本共産党の本が出版されるのは、この本が歴史上初めてとのことであります。(拍手)

 たいへんうれしいことです。私たちの先輩たちの苦闘が、いまこういう形で、日本と韓国との友情の発展の大切な財産となって生きています。ここに誇りをもって大いに奮闘したいと思います。(大きな拍手)

「自共対決」(国政)、「『オール与党』対共産党」の対決構図はっきり

 五つの角度から争点を見てまいりましたが、どの問題でも、安倍内閣の特徴を一言でいうと「暴走と破たん」ということが言えると思います。どの分野でも走り出すはなからボロがボロボロボロと出まして(笑い)、ほころびがおこり、破たんが生まれています。なぜでしょうか。土台が腐りきっているからですね(拍手)。「アメリカいいなり」「財界中心」「歴史逆行」という、この「三つのゆがみ」を特徴とする古い自民党政治が、あらゆる分野で行き詰まり、寿命がつき、文字通りの崩壊的危機に陥っているのではないでしょうか。(拍手)

「自民へ、安倍へ」となびく他党――暴走と正面から対決、改革の提案示す日本共産党

 この時に、他の党の姿勢はどうでしょう。

 民主党は、3年余りの自らの政権をつうじて、自民党と同質同根の党だということを自ら証明し、国民の信頼を根底から失いました。せっかく野党になったのに(笑い)、野党としての仕事は何にもできません。自民・公明との間に消費税大増税の「3党合意」を結び、「首根っこ」を押さえられ、野党としての存在意義も見いだせず、ただただ漂流しているのが民主党ではありませんか。(拍手)

 みんなの党も、党首討論で渡辺喜美代表が、安倍首相のTPP参加決断を「高く評価する」とのべ、「長期政権になる予感がする」といって秋波(しゅうは)を送りました。憲法改定を推進し、極端な規制緩和万能論を主張し、「第三極」どころか、安倍政権の補完勢力、安倍政権の先兵となっているのがみんなの党ではありませんか。(拍手)

 他の政党がそろって、「自民党へ、安倍へ」と“草木もなびく”状況のもとで、国民とともに安倍政権の暴走と正面から対決し、「三つのゆがみ」をただす抜本的改革の提案を示してたたかっている政党は日本共産党だけとなっています(拍手)。「自民党対共産党」――“自共対決”こそ、参議院選挙の真の対決軸であります。みなさん。この真の政党対決の構図を国民のみなさんにお示しし、必ずや躍進をこの手につかみとろうではありませんか。(大きな拍手)

都政では「こんな『オール与党』政治でいいのか」こそが大争点

 東京都政では、さらにわかりやすい政党状況が展開しています。

 メディアはそろって「オール与党化で争点なし」と書いています。猪瀬都政になって初めての3月議会では、自民党、公明党、民主党、維新の会、みんなの党、みんなそろって、知事提出の167の議案に100%賛成しました。100%ですから覚えやすいですね(笑い)。いま都議会で、野党の立場でチェック機能を果たし、抜本的対案を示してたたかっているのは日本共産党だけとなっています(拍手)。「オール与党化」は確かな事実ですが、「争点なし」では決してありません。「こんな『オール与党』政治でいいのか」――これこそが、大争点ではないでしょうか(大きな拍手)。「『オール与党』対日本共産党」――この対決構図のなかで、各選挙区での大激戦を勝ち抜き、日本共産党を大きく伸ばして、都政の「逆立ち」をただし、福祉と暮らし第一の都政をみんなの力でつくっていく選挙にしていこうではありませんか。お力添えをよろしくお願いいたします。(大きな拍手)

韓国からの期待の声――首都東京から連続勝利で、安心・希望・平和の日本を

 最後に、韓国で出版された『いま、日本共産党』を読んだ2人の韓国の識者から、昨日、さっそく書評がとどけられました。ご紹介して話を終わりたいと思います。

 1人の方は、プチョン文化財団の金惠俊(キム・ヘジュン)代表理事の書評であります。こうおっしゃっています。

 「草の根の力で政治を動かす日本のある政党の話です。31万8千人の党員、2700人の地方議員、政党助成金に依存しない完璧な財政自立。政治を根本的に改革する綱領を持った党。戦前と戦後の一貫した歴史を持った党。自主独立の観点から国際連帯を強める党。朝鮮の愛国者と連帯して植民地支配に反対した歴史を持った党。1922年に結党して一度も名前を変えない日本『共産党』の話!」(大きな拍手)。「政権自民党と日本維新の会の歴史歪曲(わいきょく)に対抗する一方で、日本の合理的な勢力とより強力に連帯すべきです。私はそう思います」。こういう温かい書評をいただきました。(拍手)

 もう1人は、著名なシナリオ作家の尹晉號(ユン・ジンホ)さんの書評です。

 「『いま、日本共産党』を通じて分かるようになった日本共産党は、私が知っていた『共産党』とは多くの点で異なっている。……日本共産党が追求する進歩的な価値が韓国社会で求められていることと別段変わらないということを知り、非常にうれしい気がした。……しかし、あえて一言言えば、日本共産党もここで安住してはならないだろう。政党の存在目的は、政権を勝ち取ることである。巨大政党を牽制(けんせい)する役割に満足するのではなく、政権政党として日本社会に残っている長い否定的価値を一掃して、東アジアの平和を主導する日が早く来ることを心より願う」(大きな拍手)

 お隣の韓国からの“日本共産党よ、早く政権を取れ”といううれしい声であります。(拍手)

 みなさん。こうした期待にもこたえ、首都・東京が燃えに燃えて、都議選・参院選で必ず連続勝利をかちとり、誰もが安心し希望をもって暮らせる日本、平和な日本をつくろうではありませんか(大きな拍手)。私も委員長として、みなさんとご一緒に、先頭にたって、燃えに燃えて奮闘する決意を最後に申し上げて、訴えとします。ありがとうございました。(声援、長く続く大きな拍手)


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