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2013年1月13日(日)

アスベスト

震災時の被害防ごう

石巻と神戸 対策考えるシンポ

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(写真)被災地のアスベスト問題について話し合う参加者=12日、宮城県の石巻会場

 震災時のアスベスト被害実態と防止対策を考えるシンポジウム「震災とアスベスト 1・17から3・11へ」が12日、宮城県石巻市と神戸市の2会場をインターネット中継して開かれました。立命館大学アスベスト研究プロジェクト、NPO法人ひょうご労働安全衛生センターの主催。

 阪神・淡路大震災におけるアスベスト飛散実態を復旧作業に従事した労働者に昨年、アンケート調査した立命館大研究員の南慎二郎さんが報告。経験者128人のうちアスベストの危険性について半数が認識していたものの、作業現場での粉じん対策として「防じんマスクの使用」は約18%にすぎず、「ガーゼマスクやタオルの使用」が約55%と適正な保護具の支給、使用がされていなかったと指摘しました。

 84%が現場周辺に住民がいたと答えましたが、配慮や対策について半数以上が「特になし」と回答。アスベスト疾患にかかっていた作業員は6人(5%)でした。

 兵庫県の明石市職労の吉田秀夫さんは、家庭ごみ収集・運搬・排出の業務に日常的に従事し、大震災後に壊れた建材やスレート材などのがれきが多く収集に出されていたと証言。「処分場では重機、ふるい機、破砕機が稼働し大量の粉じんが舞って視界がかなり悪い状況だった。業務のたびにアスベストを吸引した可能性がある。アスベスト対策が必要だった」と話しました。

 震災の復旧作業を体験した全日本港湾労働組合神戸弁天浜支部の戸ア正巳さんは「震災後のガレキ解体、撤去作業で石綿健康管理手帳が交付されることを広く知らせるべきだ」とのべました。

 石巻赤十字病院の矢内勝医師は震災後60日間に肺炎、気管支ぜんそくなど呼吸器疾患が4倍超に増えたと報告。長期にアスベストを吸い続けた場合、10〜40年後のアスベスト疾患の増加が危惧されると述べました。

 国立環境研究所の寺園淳さんはなすべきこととして▽除去作業者などへの健康影響追跡調査▽除去作業の厳格な適用▽対策への財政的支援を挙げました。


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