「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年5月1日(火)

大阪市 敬老パス有料化案

「橋下市長に裏切られた」

病院行けない 公約違反だまし討ち 高齢者いじめにがっかり

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 橋下徹大阪市長が発足させた市政改革プロジェクトチームの「改革」試案。市民生活にかかわる施策に大ナタを振るい、市民に痛みを強いる内容が目白押しです。なかでも、「なくさない」と市長選で公約していた70歳以上の高齢者が無料で地下鉄やバスに乗れる敬老パスの有料化(半額負担)に対し、怒りの声が広がっています。(大阪府・生島貞治)


写真

(写真)「敬老パス制度を維持します」と公約した昨年の府市ダブル選挙時の選挙ビラ

 「有料化になったら病院や買い物に出ていくことができない。高齢者の足を奪って孤独死せいということか」「何もかもいっぺんに削りすぎや」「高齢者にもっと優しい政治をしてほしい」。病院前や天王寺駅前で敬老パスの有料化について聞いた街頭インタビュー。30人近くのうち「有料化は仕方がない」との回答は1人だけ。しかも「半額負担は高すぎる」でした。多くの市民は、橋下市長に「裏切られた」。

 バスの車内で敬老パスの有料化が話題になり、にわかに“討論”が始まったところもありました。

年金少ないのに

 「週4日、清掃の仕事に行くのに乗っている」と言う女性(75)=大阪市住吉区=は「年金が少なく、生活のために1日3時間働いて、食べるのがやっとです」と話し、「橋下さんは選挙のときは、敬老パスは維持すると言っていたのに、負担を押し付けてくるなんて腹立つわ」と憤ります。

 大阪市西成区に住む男性(80)は「週2、3回病院に行くのに使っています。有料化には反対です。選挙では橋下さんに入れたけど、高齢者をいじめるなんてがっかりや」。

 阿倍野区の男性(86)は「寝たきりになって子どもらの負担にならないようにと、バスに乗って天王寺公園を散歩しています。有料化になったら来られへん。年寄りの生きがいをなくさんといてほしい」と怒ります。

 「ほぼ毎日病院に行きます。年寄りが気軽に出歩けるのもパスのおかげと、みんな喜んでいるのに…。これでは公約違反のだまし討ちです。我慢しなさいではなく、助けてほしい」と大阪市生野区の女性(78)。

 ただ一人、「財政が厳しいから有料化は仕方ないのでは」という男性(76)=東住吉区=は「けど半額負担は高すぎます。高齢者は家から出られなくなる」と話しました。

 70歳以上の市民、約35万人に交付されている大阪市敬老パス。昨年の府知事・市長ダブル選挙で、橋下氏らは「だまされないでください」と大書きし、「敬老パスはなくしません。敬老パス制度を維持します」「さらに高齢者にとって便利なものとするために私鉄でも利用できる制度にします」「高齢者・障がい者福祉を充実させます」との「大阪維新の会」選挙ビラを新聞折り込みしました。

 しかし橋下市長の肝いりで発足したプロジェクトチームは、高齢者の増加で十数年後には事業費が100億円を超えるという予測などを理由に有料化を打ち出しました。

 橋下市長は、記者会見で「他都市と比べていかにぜいたくな住民サービスになっているのか、それは違うとしっかり認識」させると強調しました。

巨大開発のツケ

 しかし市民の声や日本共産党の警告に耳を貸さず、大阪市がすすめて失敗した無謀で無駄な巨大開発のツケを押しつけ、淀川左岸線二期事業や夢洲の土地造成などの巨大開発は継続したままです。

 日本共産党市議団は「橋下市長の大阪市つぶしや、くらし、福祉、教育を破壊する暴走と正面から対決し、『試案』に怒るすべての市民と手を携え、撤回を求める声を大きく広げるために奮闘する」と表明しました。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって