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2012年2月6日(月)

地方発

危険な原発なくしたいから

あの日から1年 声を上げたわたしたち

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 東京電力福島第1原子力発電所の事故は、政府や東電の無責任な対応のため、いまだ収束の展望を示せないどころか、放射能汚染への不安が募っています。一方、原発をなくしたいという切実な願いを行動に移す人々の輪も、全国各地で広がり続けています。あの日から1年を目前に、この間の取り組みを東京と新潟から報告します。


パパママ、デモデビュー

東京
衆院東京比例予定候補 宮本 徹

 私は、1月下旬まで、党武蔵野三鷹地区委員長として、「原発をなくしたい」と願う一点での共同を広げようと、草の根で“原発ノー”の運動にとりくんできました。

 昨年11月6日には、「パパママぼくの脱原発ウオークin武蔵野三鷹」がおこなわれ、小雨の中、700人を超す方が参加しました。12月11日の「さよなら原発三鷹アクション」には380人が参加しました。私もこれらのデモにスタッフとして参加しました。

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 11月6日のデモの参加者の中心は親子連れの方々。12月11日のデモも親子連れの参加が目立ちました。武蔵野三鷹の地域でも「放射能汚染から子どもを守ろう」という“パパ、ママ”のグループがいくつも生まれています。給食食材の測定機購入を自治体に求めたり、学習会、情報交換などにとりくんでいます。このなかで、問題の大本にある原発をなくそうと、デモ・デビューする人が増えています。

 いっしょにデモのスタッフをしているお母さんは「チェルノブイリのときに原発はだめだと思ったが、行動しなかったことを反省している」と語っています。「子どもたちの未来に危険な原発をのこすわけにはいかない」。私たち親の決意です。

 昨年の福島第1原発の事故以来、原発をなくすことをめざす、たくさんのグループが生まれ、ほぼ毎週末、首都圏のどこかでデモがおこなわれています。

 11月6日のデモの取り組みを通じて、「TwitNoNukes」や「野菜にも一言言わせてデモ」の方とも知り合いになりました。12月、「TwitNoNukes」のリーダーの平野太一さんらと共産党との懇談がおこなわれました。「原発再稼働を許さず、原発なくすために、個人も団体も政党も力を合わせよう」という共通の意思が確認されました。

 昨年秋、「TwitNoNukes」や「NO NUKES MORE HEARTS」など首都圏で“原発なくせデモ”にとりくんでいるグループが力を合わせようと「首都圏反原発連合」が生まれています。私がスタッフをしている「パパママぼくの脱原発ウオーク」も、この「連合」に名を連ねています。

 この「首都圏反原発連合」は1月14日に脱原発世界大行進を主催し、4500人が参加しています。メモリアルデーの3月11日には、日比谷公園集合で、被災者追悼と脱原発の大規模なデモを準備しています。「原発をなくす全国連絡会」は都内の井の頭公園で集会を予定しています。

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 「一点共闘」での地域デモも広がっています。2月19日には、杉並で大きな原発なくせデモの準備が進んでいます。実行委員会には、昨年、万をこえるデモを主催した「素人の乱」や共産党、民主党などの議員、団体が参加し、賛同者も大きく広がっています。

 私がかかわっているデモでは、「パパママぼくの脱原発ウオーク」は4月22日に吉祥寺で、3月4日には「さよなら原発! 三鷹アクション」が計画されています。

 夏に向けて政府が原発再稼働を強引にすすめようとしているもとで、“原発なくせ”の一点での広大な共同の行動を広げるため、力をつくしていきたいと思います。

福島原発事故
 ■2011.3.11

脱原発ウオーク武蔵野三鷹
 ■2011.11.6

さよなら原発三鷹アクション
 ■2011.12.11

脱原発世界大行進
 ■2012.1.14

杉並のデモへ
 ■2012.2.19

日比谷公園でデモ
井の頭公園で集会へ
 ■2012.3.11

パパママぼくの脱原発ウオーク吉祥寺で計画
 ■2012.4.22


幅広い市民が企画運営

新潟・長岡

 世界最大級7基もある新潟県の東京電力柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)から30キロ圏内にある長岡市。同市では個人参加の「原発ゼロ長岡市民ネット」が結成されました。幅広いさまざまな人たちが活動に参加しています。

 会員で福島第1原発事故の3日前に出産した女性(41)は、「事故が起きるまでは原発にほとんど関心がありませんでしたが、放射能の影響は小さい子どもほど大きいと知り、不安でじっとしていられなくなり、原発シンポジウムに参加した。子どもをなんとしても原発から守りたい。黙っていては何も変わらないので、行動していきたい。市民ネットのブログも立ち上げ、原発ゼロを訴えています」と話します。

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 同じく市民ネットの矢引光明代表(53)も、「原発の運動は人ごとのように思っていたが、中越地震のころから何かおかしいと思い始め、福島原発事故を契機に真剣に向き合うようになった。子どもや孫の世代のために安全な環境を残したい。何年かかっても行動しようと運動に参加した」と語ります。

 市民ネット活動の契機になった原発シンポジウムは、昨年8月に開かれました。災害被災者支援と災害対策改善を求める長岡市連絡会(長岡市災対連)を事務局に、弁護士、医学博士、元高校教師、環境カウンセラー、子育て中の母親など11人が呼びかけ人になって、若い母親や大学生など250人が参加。パネリストを五十嵐仁法政大学教授、関根征士、立石雅昭両新潟大学名誉教授が務めました。

 シンポ開催にあたって、ポスターや案内ビラを持って申し入れをし、市内の3大学、図書館、JA、コミュニティセンターなどに配布を依頼し、新聞折り込みと合わせ10万枚のビラを活用しました。

 会場で市民ネットづくりへの協力(アンケート)を呼びかけたところ、多くの人が会への参加や活動を表明し、20人を超える人が企画運営委員会への参加を表明しました。

 企画運営委員会は準備を重ね、11月の市民ネット結成に向けて、3回の街頭宣伝で結成集会への参加を呼びかけ。130人が参加した当日の集会では、赤井純治新潟大学教授が講演。前述の女性や、南相馬市から避難している母親などが原発ゼロを訴えました。市議会の全会派に参加を呼びかけ、日本共産党市議団長と無所属議員が参加し、激励あいさつしました。

 集会で、市民ネットへの参加を呼びかけ、70人が年会費1000円を払って会員になりました。集会後にパレードを行いました。

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 現在、市民ネット会員は倍加し、毎月例会を開いています。例会はできるだけ多くの会員に呼びかけ、女性や若い人、市民運動の経験のない人などが参加しています。2月から街頭宣伝を行い、柏崎刈羽原発の再稼働を認めない署名運動を始めます。3月11日には、ドキュメンタリー映画「チェルノブイリの今・フクシマへの教訓」の上映と講演会を開催し、街頭宣伝を行います。

 矢引代表は「市民ネットには、まったく経験のない人や共産党の人まで幅広い人が参加している。原発をなくしたい一点で思いを強くしている。国はもちろん、県や市もあいまいな態度だ。まずは市議会を動かしたい。そのために草の根の行動の輪を広げていきたい」と語っています。

 (新潟県・村上雲雄)

福島原発事故
 ■2011.3.11

原発シンポに250人
 ■2011.8

長岡市民ネット結成集会・パレード
 ■2011.11

柏崎刈羽原発の再稼働阻止へ署名運動開始
 ■2012.2

「チェルノブイリの今・フクシマへの教訓」の上映と講演会
 ■2012.3.11


ツイッターを使って

 この間の運動では、ツイッターが、同じ目的や思いをもった人がつながりあい、行動を組織する手段として活用されています。

 ツイッターというメディアの特徴は1人の「ツイート」(140文字以内のつぶやき)を、共感した人が「リツイート」ボタンをおすことで、どんどん広がる(「拡散」といいます)ことです。

 「ツイッター」は運動の組織だけでなく、情報を知らせる上でも可能性があるメディアです。昨年末、私(宮本)がツイッター上で、“今年度、農水省が購入した放射能測定機が41台、F35を1機買うお金でゲルマニウム半導体の放射能測定機が500台買える”とつぶやいたところ、当時フォロワー(自分の書き込みを常に見るための登録をしている人)は約200人でしたが、「拡散」され、25万人以上に「つぶやき」がとどきました。


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