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2017年12月23日(土)

きょうの潮流

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 歴史から何を教訓として引き出すのか。いま注目されている劇団チョコレートケーキの「あの記憶の記録」を見て、あらためて考えさせられました▼舞台は1970年のイスラエル。アウシュビッツの生き残りの主人公が、息子が通う高校の若い女性教師の求めに、収容所の体験を語りはじめます。「特殊任務」をあてがわれ、同胞たちをガス室に案内し、その死体を自ら処理したおぞましい体験。「良い奴(やつ)はみんな死んだ。最悪の場所で最悪の人間にならなければ生き残れなかった」▼ホロコーストの悲劇をくり返さないために何が必要か。「イスラエルは強くなければならない」と、軍備増強と先制攻撃は当然と口にする女性教師。主人公は反論します。「国のために誰かを踏みにじるなら、俺たちもナチスと同じだ」―▼これは中東だけの問題ではないでしょう。安倍首相は北朝鮮の脅威から日本を守ると、史上初となる自衛隊の「米艦防護」を実施し、迎撃ミサイルの地上配備を閣議決定しました▼この戯曲の初演は5年前。作者である同劇団の古川健さんは「5年前は漠然とした危惧だったものが、いま形を成してきたと実感している」と空気の変化に身震いします▼エルサレムを一方的にイスラエルの首都と認定したトランプ米大統領。その決定を無効とし、撤回を求める決議案が国連で採択されました。圧倒的多数によって。主人公のセリフがよみがえります。「正義とは拳を振り上げることではない。正義とは人を悲しませないことだ」


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