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2017年12月17日(日)

主張

生活保護費の減額

「生きる土台」をまた削るのか

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 厚生労働省が生活保護費の大幅な減額案を打ち出し、批判と怒りの声が上がっています。この案通りに削減が実行されれば、夫婦と子ども2人の世帯で10%以上カットされ、いまでもギリギリの苦しい生活はとても立ち行かなくなってしまいます。あまりに乱暴な提案に対し厳しい抗議が相次ぎ、厚労省は下げ幅を圧縮する検討を始めましたが、減額はあくまで実施する構えです。格差と貧困が広がる中で、生活困窮に陥った国民の暮らしを守り支える「安全網」を破壊する減額は許されません。

引き下げの悪循環を断て

 厚労省が減額を狙うのは食費や光熱費にあてる生活扶助などです。同扶助は、年齢や居住地、家族構成により額は異なりますが、生活保護利用者の暮らしを支える重要な柱の一つです。厚労省が8日、生活保護見直しを検討する審議会に示した案は過酷なものでした。

 増額になる世帯もある一方、都市部では多くが引き下げとなり▽40代夫婦・中学生・小学生の4人世帯で2万5310円〜6070円▽40代親1人・中学生・小学生の3人世帯で1万1010円〜9540円▽65歳単身世帯で6600〜5420円―それぞれ毎月カットされるケースも生まれます。

 利用者から「節約も限界」「どこを削れというのか」と悲鳴が上がり、減額を基本的に了承した厚労省の審議会も「(減額案を)機械的に当てはめない」ことを強く求める、と取りまとめの報告書に書かざるを得ませんでした。厚労省のやり方に道理はありません。

 厚労省が大幅減額を導き出す考え方に問題があります。それは「一般低所得世帯」の消費実態と、生活保護世帯の受給額を比べ、保護世帯の受け取る額が多いから下げるという理屈です。しかし、一般低所得世帯は、本来なら生活保護を受けるべき生活水準なのに、制度の不備などで生活保護を利用できない世帯を多数含んでいます。このような世帯と「均衡」させるとすれば、扶助の引き下げという結論にしかなりません。いま必要なのは、扶助のカットではなく、一般低所得世帯にも生活保護世帯にも必要な支援を行い、暮らしの底上げをはかり、「引き下げ」の悪循環を断ち切ることです。

 生活扶助の削減の影響は生活保護世帯にとどまりません。同扶助は、低所得家庭の子どもへの就学援助、最低賃金など一般の世帯にかかわる諸制度の給付水準を決めるモノサシとなっており、広がりは深刻です。厚労省が狙う、一人親世帯への「母子加算」減額も子どもの貧困解消に逆行します。暮らしの「土台」を崩す扶助や加算のカットは撤回すべきです。

憲法25条を生かす政治に

 2012年末の総選挙で自民党は生活保護費の「原則1割カット」を政権公約に明記し、安倍晋三首相は政権復帰以降、毎年のように生活保護の削減と制度改悪を繰り返してきました。とくに13年から3年にわたり過去最大規模の生活扶助カットを強行したことなどに対し、全国で1000人近くの利用者が違憲だと裁判に立ち上がっています。国民の声に逆らい、またもや容赦ない削減計画を持ち出す安倍政権の姿勢は異常という他ありません。国民に健康で文化的な最低限度の生活を保障する憲法25条を生かす政治への転換がいよいよ急務となっています。


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