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2017年12月3日(日)

笹子トンネル事故5年

不都合な真実 語って 追悼式典 社長らに遺族迫る

“なぜ死んだ。原因突き詰める”

山梨・都留市

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 山梨県の中央自動車道・笹子トンネルで天井板が崩落し、9人が死亡した事故から、2日で5年を迎えました。トンネルを管理する中日本高速道路の元社長らが書類送検されて初めて行われた追悼式典では、遺族が「本当の意味での再発防止、必然的な(事故)防止をするには、不都合な真実を正直に証言することだ」と、宮池克人社長らに迫りました。


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(写真)追悼の言葉を述べる遺族代表の石川信一さん=2日、山梨県都留市

 同県都留市内で開かれた追悼式典には、遺族や犠牲者の友人など126人が参列しました。11月30日に業務上過失致死傷罪の容疑で書類送検された金子剛一元社長(74)も参列しました。

 遺族代表で言葉をのべた石川友梨さん=当時(28)=の父、信一さん(68)は、犠牲者9人の名前を親しげに呼びかけ、「あなたたちがなぜ死ななければならなかったのか。残された者の使命として原因を突き詰めていく」と誓いました。

 そして「今日どうしても天国の友梨からみなさんにお話ししたいことがある。私の口を借りて娘がのべたいことがある」とのべた石川さん。参列者席に顔を向け、「なぜ殺されなければならなかったのか、理由が知りたい。『再発防止』というなら、その実現には真実しかない」と友梨さんの言葉を代弁しました。

 中日本の宮池社長はおわびの言葉で「高速道路のさらなる安全性向上という永遠の挑戦課題に取り組む」とのべました。式典後の会見で、同社の過失について問われた宮池社長は「これまで事故原因については、ご遺族に説明させていただいている」とだけ述べ、言及しませんでした。

 式典後、石川さんは「正義感の強い娘でしたので、このまま知らぬ存ぜぬで、中日本や笹子トンネルに関わった人たちが口を拭っているのは許さないぞと、天国から声高々に言っていると思います」と語りました。

 松本玲さん=当時(28)=の父、邦夫さん(66)は、中日本の役員など計8人が書類送検されたことについて「遺族としては、刑事責任以上に、大きな事故を起こした社会的責任があるだろうと言いたい。ちゃんと起訴し、裁判でそれを明らかにしてほしい」とのべました。


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