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2017年11月24日(金)

主張

検査院「森友」報告

疑惑の全体像を明らかにせよ

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 大阪府豊中市の国有地が、大阪の学校法人「森友学園」に鑑定価格よりも8億円以上も値引きされ払い下げられた問題で、調査していた会計検査院が、値引きの根拠とされたゴミの撤去費用について「十分な根拠を確認できない」との検査結果をまとめました。「森友学園」が国有地に開設を予定していた小学校は安倍晋三首相の妻、昭恵氏が名誉校長を務めていたもので、払い下げ交渉の時期とも合致、昭恵氏らが関与した疑惑があります。安倍首相は今国会でも疑惑の解明から逃げ続けていますが、昭恵氏の国会喚問を含め、疑惑の徹底究明が不可欠です。

9億円から8億円値引き

 大阪で幼稚園などを経営する「森友学園」(当時の理事長は籠池泰典氏)は、豊中市の国有地に、当初は「安倍晋三記念小学校」とも名付けた小学校の建設を計画、財務省の近畿財務局に国有地の払い下げ、大阪府に小学校の開設認可を働き掛けていました。国有地が最初は借地として貸し出され、その後大幅に値引きして「森友学園」に売却されたことや、経営計画などに問題が指摘されたのに「学園」に小学校の開設が認められたこと、国や大阪府から巨額の補助金が出ていたことなど、多くの疑惑が指摘されてきました。

 「森友学園」の幼稚園などでたびたび講演したことのある昭恵氏は2015年9月に小学校の「名誉校長」に就任、籠池理事長夫妻らの相談に乗り、15年11月には当時昭恵氏付きの政府職員を通じて財務省に「森友学園」の国有地の借り入れについて照会したことなどが明らかになっています。

 「森友学園」に最初は10年期限の契約で貸し出された国有地は汚染土などの除去費1億円余りを財務局が支払ったうえ、「新たな埋蔵物が見つかった」などの口実で9億円を超す鑑定価格から8億円以上が値引きされ、ほとんどただ同然の価格で「森友」に売却されました。この経過を籠池氏は「神風が吹いた」と表現、昭恵氏の関与が強く疑われていました。

 財務省や近畿財務局は交渉経過の書類は処分したと言い続け、「森友学園」と売却価格を示して交渉したことはないと言い張ってきましたが、財務局の担当者と「森友」側との値引き交渉を裏付ける音声記録の存在も指摘されています。

 会計検査院の報告は、財務局や土地を所有していた大阪航空局が最大地下9・9メートルまでゴミが埋まっているとして試算した8億円を超す撤去費用には「根拠がない」と断定しました。正確なゴミ撤去の費用は確定していませんが、撤去費用の試算が過大だった以上、「森友学園」に値引きした払い下げ価格が低すぎたのは明らかです。

昭恵氏らの喚問で解明を

 国民の共有財産である国有地が意図的に格安で払い下げられていたとすれば公務員の場合は背任罪にも問われる犯罪です。「森友学園」への払い下げ価格が格安だったことが浮き彫りになった以上、近畿財務局などの価格交渉がどのように行われ、昭恵氏などの関与はどうだったのかを解明することがいよいよ必要になります。

 安倍首相は通常国会中から昭恵氏の国会喚問を拒み、国民に批判されれば口先だけは「丁寧に」説明するなどとごまかしています。今度こそ昭恵氏らの国会喚問を実現し疑惑の全容を解明すべきです。


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